馬場雄大

ホーバス「彼がシューターのマインドにチェンジできるかどうかの挑戦」

バスケットボール男子日本代表は今週の13日、14日に開催されるイラン代表との国際強化試合に向け強化を進めている。

『アジアカップ組』の数名が今回のメンバーにも選出された中、それ以上に注目を集めたのが馬場雄大だ。トム・ホーバスのスタイルに初めて触れる馬場は「代表でプレーさせていただくことが昨年の東京五輪以来で、ホーバス監督のバスケは初めてなのですごく楽しみです。スタイルもガラッと変わるので、自分がどういう形でチームにフィットできるかを常に考えています」と現在の心境を語った。

馬場の一番の強みは日本人離れした身体能力から繰り出されるドライブだ。しかし、ホーバスヘッドコーチは3ポイントシュートを重視しており、当然のように馬場にも3ポイントシュートの多投を要求する。NBAに挑戦し続け、今夏にはウォリアーズの一員としてサマーリーグに出場した馬場は、もちろん3ポイントシュートの重要性を理解している。それでも、自身の最大の強みであるドライブとアウトサイドシュートのバランスが逆転することへのアジャストは容易ではないはず。馬場も「バスケ人生でやったことのないスタイル」と言う。

「ホーバス監督から、10本攻められるなら7本は3ポイントシュートで、3本をドライブやパスの意識を持つようにと言われています。今まではゲームを通して3本とか4本のアテンプトでしたが、ホーバス監督からは7本とか8本は当たり前に打ってもらいたいと言われました。3ポイントシュートは海外でプレーするには必須なので常に練習してきましたが、3ポイントシュートがあってこそのドライブと今はメンタル的に考えています」

ホーバスヘッドコーチが「彼は特別なディフェンダー」と語ったように、その守備力も馬場の魅力の一つだ。海外で『3&D』プレーヤーとして定評のある馬場が、ホーバスのスタイルに完全にフィットすることができれば、その立ち位置を確立させるだけでなくNBAへの道にも繋がる。だからこそ、ホーバスヘッドコーチは「外が上手くならないとNBAには入れない。彼がシューターのマインドにチェンジできるかどうかの挑戦」と、期待している。

馬場は言う。「ホーバス監督のスタイルはパス&ゴーやカットが多くて、ハーフコートでも展開が速いバスケです。スポットだけじゃなく、動きながら3ポイントシュートを打つ機会が増えてくるかなと。守備が中途半端だったら打てというスタンスなので、ボールを持ってパスを探しつつ守備の位置を見て打つ機会も増えていきます。今までにないくらいスリーのアテンプトが増えていくと思いますが、スリーを今まで以上に意識することでドライブするスペースももっと生まれるとも思っています」

馬場と聞いて、スティールからのダンクをイメージする人は多いはず。もちろん、そういった豪快なプレーにも期待したい。それでも、新たにシューターのマインドとなった馬場のプレーにどのような変化が表れるか、そこに注目したい。