ディアンドレ・ジョーダン

「自分がどんな選手なのかは、自分が一番分かっている」

ディアンドレ・ジョーダンはNBA15年目の開幕をナゲッツで迎える。ベテラン最低保証額で1年契約を結んだ彼は、契約前に指揮官マイケル・マローンと話した内容について「ヨキッチがベンチで、僕がスタートだと言ってくれた」と明かす。

もちろん、これはジョークだ。2年連続でMVPを受賞し、現在27歳でこれから選手としての全盛期を迎えるヨキッチよりジョーダンが優先して起用される可能性はゼロと言っていい。だが彼はそれを100%受け入れ、チームのために尽くすつもりでいる。

『Denver Post』の取材に対し、ジョーダンはこう語る。「もちろん、ニコラはこのチームにおいて絶対的な存在だ。だから僕の役割はベンチスタートで、試合のテンポを整え、スクリーンを掛けて味方をオープンにし、より良いシュートチャンスを作り出してセカンドユニットを助けることになる。コートに立っている間はディフェンスで存在感を見せたい」

今のNBAのトレンドに、古典的なセンターであるジョーダンは置いていかれている。だが、彼は自分のやり方を曲げなくてもチームにまだ貢献できると自信を持っている。

「僕はクリッパーズにいた若手の頃から、物事が思い通りにいかなくてもロッカールームで良い存在感を示すことを偉大なベテランから学んできた。キャリアを通じてそうしてきたつもりだし、それが誇りでもある」

「僕は2巡目指名でNBAにやって来て、15年目のキャリアを迎えようとしている。何かを証明しなきゃいけないという焦りはないよ。自分がどんな選手なのかは、自分が一番分かっている。僕は自分のことをリスペクトしているし、仲間からリスペクトされていることも理解している」

ジョーダンは自分を大きく見せようとはしない。だが、譲れないものはある。14シーズンが経過しても手の届かないNBA優勝を、何としてでも勝ち取りたいと考えている。

「タイトルを取ること。それだけが僕のキャリアのこの時点でもモチベーションであり続けているんだ」

大エースのニコラ・ヨキッチを擁し、ジャマール・マレーとマイケル・ポーターJr.が戻ってくる。そんなナゲッツにおいてジョーダンが主役を張ることはないが、堅実な働きでチームを押し上げる、そのわずかな差が大きな結果に繋がるかもしれない。