経営体制変更で新時代に突入する琉球ゴールデンキングス、白木享社長の決意(後編)「キングスを沖縄の文化の一つに」

経営体制変更で新時代に突入する琉球ゴールデンキングス、白木享社長の決意(後編)「キングスを沖縄の文化の一つに」

2022/08/04 19:00
白木享

琉球ゴールデンキングスは7月1日から経営体制を変更した。チーム創設時から社長を務めてきた木村達郎氏が退任し、沖縄を代表するIT企業のプロトソリューションが球団株式を取得し資本参加。それに伴い、同社の代表取締役社長である白木享氏が琉球の新社長に就任したのだ。琉球はリーグ随一の熱狂的ファンベースに収容人数8,000人を超える沖縄アリーナを本拠地とする『稼ぐ力』、昨シーズンにチーム初のファイナル進出を果たした『競技力』の二つを高いレベルで両立させている。今回の体制変更でどのように進化していくか。白木社長に球団の目指すべき姿、将来像について聞いた。

「沖縄のためのキングスであるということを前面に出して活動していきます」

──スポンサーについてはどのように考えていますか。沖縄県内だけでなく、首都圏など県外の企業にも積極的な営業活動をしていかなければいけないと見ていますか。

沖縄県の人口は約145万人ですが、出生率も高く人口増加傾向にあります。そして沖縄県を中心に行政の方たちが企業誘致をかなり積極的に行ってくれているなどマーケットとして成長しています。県内企業さんからのスポンサー収入をまだまだ増やしていけるポテンシャルは十分にあると思っています。そして、コロナ禍が収まれば台湾、韓国との距離が非常に近いのでインバウンド需要も伸びていきます。これらのアジアの国々や観光業と結びつきのある企業さんが国内にはたくさんいらっしゃるので、そこへのスポンサー提案もやっていきたいです。

ただ、それをやるにせよ、まずはより多くの観客を集めることです。沖縄アリーナが満員の状態になればスポンサー企業さんにとって広告を掲出したり、サンプリングを行う価値がより増して営業活動もやりやすくなります。やはり根幹となるのは、どれだけ多くの皆さんに試合を見に来ていただけるかです。そのためにもSNSを駆使したプロモーションなど、様々な取り組みをやっていこうと考えています。

──今回の体制変更を発表するリリースでは『出資元の企業が本業で稼いだ資財をチーム人件費に注ぐという短絡的な意図での資本参画ではありません』と書かれていました。

これは非常に重要な姿勢となります。キングスは沖縄の宝であり、沖縄の文化の一つにしていくことが1番のミッションだと思っています。そのためにもプロトソリューションという一企業が、大きくキングスの予算を押し上げるのではなく、より多くの県内の企業さんにもっともっとキングスを理解していただきスポンサーになっていただく。より多くのファンの皆さんにチケットやグッズ購入などで支えていただく。特定の企業ではなく、沖縄全体で支援をしてもらってのキングス、という基本スタンスは変わりません。

今、多くのスポンサー企業さんにご挨拶をさせてもらっていますが、わざわざお土産をくださるくらい、皆さんがキングスに大きな期待を寄せてくれています。こういうキングスを支えてくれる方たちをどんどん増やしていくことが私たちの使命です。とにかく、沖縄のためのキングスであるということを前面に出して活動していきます。

琉球ゴールデンキングス

「臨場感はいくらデジタルが発展してもライブには敵わない」

──新体制となり、ビジネス面ではどんな変化を加えていきたいと思いますか。

『沖縄をもっと元気に』の理念は変わらないですが、コロナ禍や国際紛争の影響など予期せぬ問題はいろいろと発生します。だからこそ、社長が私に代わったように変化することを恐れず、常にチャレンジを続けることが重要だと伝えています。ファン目線に立って、より試合を楽しんでもらえる環境を作る。そのために改善すべき部分があれば、従来と大きく方向性が違う施策も積極的に導入していきます。

──今はメタバースやNFTなど、球団として取り入れることのできるデジタルサービスがどんどん増えています。その点についての意見を聞かせてください。

デジタルで伝えられることは限りなく増えていると思います。もちろん、ITは得意分野でありやっていきますが、一方であくまでもライブの魅力を高めるための補完としてのデジタル、という位置づけは大切です。実際の試合でないと味わうことができない臨場感や空気感は、いくらデジタルが発展してもライブには敵わない。デジタルが進歩するからこそリアルの価値は上がっていく。お客様にホームゲームを目の前で見て、すごいと感じてもらうことがさらに重要になってくると思います。

──これからキングスファンの皆さんには何を伝えていきたいですか?

私もプロトソリューションの代表を務めて16年目を迎えますが、当初は「沖縄の人は時間にルーズだからビジネスはそんなにできないよ」と言われたこともありました。しかし、実際はそうでなく沖縄には優秀な方たちがたくさんいます。これから2030年、40年に向けて沖縄がアジアのハブになっていくと多くの人が予想する、大きな魅力を持った場所です。

多くの皆さんが沖縄という土地を誇りに思っています。キングスはその誇りの代表となっていきたい。キングスが沖縄の文化の一つとなり、生まれた時から自然とキングスを応援するような環境にしていきたいです。そのためにもファンの皆さんと一緒になって、より地域に密着したチーム作りが欠かせません。そこで最も大切なのは、あらためて強調しますが、お客様に「今日は楽しかったね」と、すべてのホームゲームで言ってもらえること。ファン目線を何よりも大切にして、より楽しんでもらえるようにしていきます。

──最後にキングスとして、Bリーグ、日本のバスケットボール界でどんな地位を築いていきたいですか。

沖縄のファンの皆様はNo.1だと思っていますので、そこにキングスというチーム、さらに沖縄バスケットボール株式会社という運営組織もNo.1だと言われるようにしていきたいです。そしてバスケットボールを日本のメジャースポーツにしていくことが求められている中、日本のバスケ界を牽引していく存在になりたいです。

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