西田優大

「僕の役割は3ポイントシュートとペイントアタック」

バスケットボール男子日本代表は今日、『アジアカップ2022』のベスト4進出をかけてオーストラリア代表と対戦する。

日本代表はこれまでにグループラウンドでカザフスタン、シリア、イランと対戦し、先日の決勝トーナメント初戦でフィリピンと対戦した。フィリピン戦はBリーグでは見られないようなフィジカルゲームとなったが、日本は相手の勢いに呑まれることなく、それぞれがリングに向かって積極的にアタックすることで自分たちのバスケットを貫き、102-81で勝利した。

ここまでの4試合すべてで先発を務めている西田優大は「昨日に関しては、ペイントアタックもチームとして結構できていました」とフィリピン戦での手応えと、チームの成長を語った。「今までは何となく流れの中でプレーして、力強くドライブはするけどなかなか結果に繋がらない部分がたくさんありました。でも、フィリピン戦に関しては、ドライブした後もみんながしっかりキックアウトしたり、そこからステップインしてシュートを決め切ったり。かなりフィジカルだったので、そこはオーストラリア戦にも生かせると思います」

フィリピンに勝利してベスト8進出を決めた日本だが、その試合で大黒柱の渡邊雄太が足を負傷し途中退場するアクシデントに見舞われた。第3クォーター中盤から渡邊抜きでの戦いを強いられたが、そこで失速せずにリードを保ち続けた。西田は言う。「雄太さんは10日前ぐらいにチームに合流して、それ以外のメンバーはずっと一緒にやっていました。だから自分たちのバスケをやるだけ、今までやってきたことをしっかりやれば勝てると思って、そこだけに集中していました」

今大会で唯一黒星を喫したイラン戦(76-88)では、相手の統率されたチームディフェンスを前に日本はボールムーブが停滞。結果的にNBAでプレーしている渡邊以外の選手はペイントアタックができず、トム・ホーバスが求めるバスケットを行うことができなかった。

西田も「前回のイラン戦ではスイッチされた後に、全員の足が止まってしまいました」とイラン戦を振り返る。本日対戦するオーストラリアもイランと同様にスイッチディフェンスを仕掛けてくることが予想される。そのため「(足が止まってから)そこで1対1を狙いすぎるのではなく、そこからさらに動きを作って、動きの中でできたズレでしっかりアタックすることが大事」と言うと、オーストラリア戦に向けてこう意気込んだ。

「僕の役割は3ポイントシュートとペイントアタックなので、そこでチームに貢献できるかを一番考えています。イラン戦は上手くペイントアタックができなかったので、小さいズレから僕がアタックして大きいズレが生まれて、そこから良いバスケを展開できるようにやっていきたいです」

ホーバスヘッドコーチが渡邊のオーストラリア戦出場に関し「無理とは言わないけど、難しいかもしれない」とコメントしたように、渡邊抜きで戦う可能性が高い。ホーバス体制になってからオーストラリアとはワールドカップ予選で2度対戦し、2月に対戦した時は64-80、そして先日7月1日に対戦した時は52-98と、ともに完敗を喫している。

しかし、今の日本代表はこのアジアカップを通じて、チームとして成長している。それだけに、今日のオーストラリア戦で、どれだけホーバスヘッドコーチが求める日本のバスケを体現できるか、そして若きエース、西田がどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。