富樫勇樹

次戦以降に向け「もうちょっと3ポイントシュートの確率を上げたいです」

バスケットボール男子日本代表は『アジアカップ2022』のグループリーグ初戦でカザフスタン相手に前半は苦労するも、後半で55-20と地力の差を見せつけ100-68と圧勝した。

この試合で先発ポイントガードを務めた富樫勇樹は約20分の出場で6得点5アシスト3リバウンドを記録。渡邊雄太とともにチーム合流は大会5日前と直前だったが、Window1と2の代表活動に参加し指揮官トム・ホーバスのバスケットボールを理解していることもあり、国際大会の経験豊富なベテランらしい安定したプレーで勝利に貢献した。

試合後の記者会見で、富樫は「初戦ということで入りは少し固かったですが、後半はディフェンスからしっかりリズムを作って練習してきたバスケットボールを出せました。チームとして良い勝利でした」と総括する。

そして後半の堅守についてスイッチディフェンスが機能したと振り返った。「後半、特にスイッチディフェンスで相手が1対1をしかける時、1人だけでなく2人、3人でしっかり守って相手のリズムを完全に狂わせることができました。ボールプレッシャーとそこからのオフェンスで、後半は日本の目指しているバスケットボールができました」

この試合、渡邊が東京オリンピック後は初めて代表戦に出場し、期待通りの活躍でチームを牽引した。「本当に雄太のような選手が一人いることで、チームはガラッと変わります。他の選手もイキイキとしだして、持ち味を発揮していたと思います」と渡邊の影響力の大きさを富樫は語る。

また、中でも一際目立つイキのよいプレーを見せていた河村勇輝をこう称えた。「(自身と河村で)170cmくらいの選手が2人いる代表チームはほとんどないですが、このチームはサイズではなくスピードで勝負しています。スコアファーストではないと思いますが、ディフェンスからしっかりリズムを作ってスティール、アシストとチームに勢いを与えてくれました」

一方、今後の課題として「もうちょっと3ポイントシュートの確率を上げたいです。もちろん全試合、入るわけではないですが、こういうところで成功率を40%台に乗せられるようにしないといけないです」と、100点ゲームを達成したが31.6%の成功率に終わった長距離砲を課題に挙げる。ただ、オフェンスの大きな肝は3ポイントシュートではあるが、それに頼った戦い方ではいけないと続けた。「3ポイントシュートが当たれば勝つ、当たらなかった負けるチームにはなりたくないので、チームとしてバランスを取りたいです」

会見の最後で、富樫は次戦に向けてこう意気込んだ。「3連勝して1位通過するのが目の前のゴールなので、初戦はそれに向かって良い出だしでした。イラン、シリアはまた違うチームなので、しっかり戦っていきたいです」

この第一関門突破には「今回、半分くらいの選手が初めて一緒にプレーする感じで新鮮です」と語ったように、富樫が若い選手たちの連携をより深め、彼らの持ち味をどんどん引き出していくことも重要となってくる。