ルディ・ゴベア

将来を見据えず、すぐに優勝を狙う大きな賭けに出たウルブズ

ティンバーウルブズとジャズの間で大型トレードが合意に達したと『ESPN』が報じた。

ウルブズはパトリック・べバリー、ジャレッド・バンダービルド、マリーク・ビーズリー、リアンドロ・ボルマロ、今年のドラフト22位指名のウォーカー・ケセラーの5選手に加え、プロテクトされていない2023、2025、2027年のドラフト1巡目指名権、トップ5がプロテクトされた2029年のドラフト1巡目指名権と引き換えに、ルディ・ゴベアを獲得するという。

ゴベアは6年連続でオールディフェンシブファーストチームに選出され、3度の最優秀守備選手賞を受賞しているリーグ屈指のリムプロテクター。今シーズンは平均15.6得点、フィールドゴール成功率71.3%、14.7リバウンドと3部門でキャリアハイを更新し、2.1ブロックを記録した。トップクラスのセンターを獲得したウルブズはカール・アンソニー・タウンズを4番でプレーさせることが可能となった。グリズリーズからカイル・アンダーソンをすでに獲得したこともあり、破壊力抜群のフロントコート陣が整い、ディアンジェロ・ラッセル、アンソニー・エドワーズと強力な先発メンバーが揃った。

しかし、タウンズと4年2億2400万ドル(約325億円)のスーパーマックス延長契約を締結したばかりのウルブズにとっては大きな賭けに出たと言える。ゴベアは2020年に5年総額2億500万ドル(約270億円)の延長契約をし、今後4年の平均サラリーは4200万ドル(56億円)と高額なため、キャップスペースを圧迫する。エドワーズの大型延長契約も控えているだけに、もしチームが機能しなかった場合、多くのドラフト指名権を放出したため再建は簡単ではない。

一方、リムプロテクターを失ったものの、ゴベアの大型契約を動かすことに成功し、大量のドラフト指名権を得たジャズは様々な選択肢を選ぶことができる。ドノバン・ミッチェルを中心とし、サポートティングキャストを集めていくのか、それとも長年チームを率いたクイン・スナイダーの辞任もあり、完全に再建へ鉈を切るのか。今後の動向に注目が集まる。