齋藤拓実

3ポイントシュートの質向上へ、「相手の脅威となるペイントアタックができれば」

バスケ男子日本代表は、7月1日にオーストラリア代表と、7月3日にはチャイニーズ・タイペイ代表と対戦するワールドカップ予選Window3に挑む。

Window3に向けた直前合宿には21名の選手が参加していて、指揮官のトム・ホーバスはいろいろな選手を合宿に呼び、これまでの4試合でも試合ごとに登録メンバーを決めてきた。

ポイントガードの齋藤拓実は、Window1から今回のWindow3まで、すべての合宿に招集されている。齋藤はホーバス体制になって初めてA代表に呼ばれたが、国際舞台でもキレの良いドライブや高いバスケットIQを生かしたゲームメークを見せて存在感を示している。

Window3の直前合宿中に行われた会見で、齋藤は「オフシーズンに入ってからの練習なので、ウエイトもかなりガッツリやっています。Window3まで時間がないので、バスケットもかなり詰め込んでやっていて、ハードな練習になっています。かなりインテンシティが高い練習ができています」と振り返った。

ホーバスは全選手に3ポイントシュートを打つことを求めているが、むやみやたらに3ポイントシュートを放てばいい、というわけではない。オープンでのシュートチャンスを作り出すには、バックコート陣のペイントアタックが欠かせない。

齋藤は「3ポイントシュートの比率が多すぎるのが今までのWindowでの反省点でした」と言う。「3ポイントシュートを増やすにしても、そもそもペイントタッチができていなかったので、タフな3ポイントシュートになったりしていました。なので、ペイントにアタックした時には、まずはレイアップを狙う。僕はフローターも得意なので、相手の脅威となるようなペイントアタックができれば、トムさんがやりたい良いオープンシュートが打てると思うので、そこの比率の部分を考えながらやれたらと思います」

そして、そこに関連してくるのがペイントアタックに加えて、バックコート陣の得点力だ。齋藤はこれまでにWindow1の中国との第1戦と、Window2のチャイニーズ・タイペイ戦の2試合に出場した。中国戦ではフィールドゴール3本中2本成功の4得点3アシスト、チャイニーズ・タイペイ戦ではフィールドゴール6本中2本成功の4得点1アシストとなった。

ここ3シーズンで平均12.3得点、5.5アシストをマークしている齋藤にとって、代表戦2試合での平均4.0得点、2.0アシストは少し物足りなさを感じる。もちろん、所属クラブと代表とではプレースタイルは異なり、国際試合ともなれば事情は変わってくる。

だが、バックコート陣の得点力が増せば、相手ディフェンスの注意を引くことができ、味方のスペースを作り出せる。齋藤も「ハンドラーがしっかり点数を取れないとアシストも生きてこない」と語る。「代表になってから僕もまだ3ポイントシュートを決められていなかったりして、点数をもっと取った方が良かったのかなと思うので、スコアの部分を意識してやりたいです」

前回のWindow2では、オーストラリア代表に64-80で敗れ、チャイニーズ・タイペイ代表には76-71で勝利した。これまでの経験を生かして、齋藤の持ち前のゲームメークに加えて、得点力にも期待したい。