川真田紘也

同郷の西田もサポート、リバウンドとスクリーンで居場所をつかみとる新星

『ワールドカップ2023アジア地区予選』のWindow3に臨む男子日本代表は7月1日のオーストラリア戦、3日のチャイニーズ・タイペイ戦に向け強化を進めている。

直前合宿に参加している21名の中で、センターポジションで登録されているのはルーク・エヴァンス、ラシード・ファラーズ、川真田紘也の3人のみ。さらに言えば、Bリーグの所属チームでもセンターを任されているのは川真田しかいない。純粋なセンターとして役割が明確になっていることは彼にとって都合が良く、「3ポイントシュートを打ったり、ドライブも求められますが、今はリバウンドやゴール下、スクリーンといった身体を生かしたプレーを求められています」と、川真田は言う。

202cm102kgと堂々たる体躯の川真田はU22、U23と世代別の代表候補に選ばれた経験を持つが、A代表への招集は今回が初めてだ。また周りのバスケエリートたちのように、名門校でプレーしてきたわけではない川真田にとってBリーガーになることが一つの目標だった。「自分の夢はBリーグに入ること。Bリーグで試合に出ることも大事ですし、日本代表で戦うことも目指していました。自分が何故呼ばれたのかを意識して、トムさんが何を求めているのかを意識して合宿に参加しています」

主に外国籍選手がインサイドを任されるBリーグにおいて、日本人ビッグマンの需要は年々下がってきている。実際に、川真田の今シーズンの平均プレータイムは4.6分のみと出番が限られた。それでも、31歳にしてA代表デビューを果たした谷口大智は、所属する茨城ロボッツでの平均出場時間は6.6分だったにもかかわらず、Window2の2試合で合計約50分のプレータイムを得た。ホーバスコーチはすべての選手にチャンスがあると公言しており、日本代表で才能が開花する可能性も十分にある。川真田もその可能性を信じている。

「周りの選手は上手い人ばかりで、自分に持っていないものをたくさん持っていて勉強になります。自分の若い力、アグレッシブさが大事だと思っています。経験がない分、どれだけハードにやれるかをトムさんに見せたいです」

24歳の川真田はこのメンバーの中で若い部類に入るが、同年代の選手も多く、代表でブレイクした西田優大やアルバルク東京で評価を高めている吉井裕鷹とは以前から親交があったと言う。同じ徳島県出身の西田は「練習が終わって、トムさんが名前を出してすごく良かったと言うくらい、川真田はすごく良くなってきています。本当に走れますし、リバウンドにも毎回絡んでいるので、あいつにも頑張ってほしいです」と、同郷の仲間にエールを送っている。

川真田もそんな同年代の活躍を力に変えて、代表生き残りを目指している。「彼らは遠慮とかせずに、自分の持ち味を存分に発揮しています。代表に来ても変わらないスタイルで良さをアピールしているので、自分もそのぐらいの気持ちでやらなきゃいけないと刺激を受けました。ガツガツした気持ちを持ってやっていきたいです」