写真=Getty Images

3ポイントシュートが不発に終わったキャブズ

ホークスは若手の強気なオフェンスで、開幕から唯一負けのないキャバリアーズの連勝をストップさせた。

第1クォーターを同点で終えて迎えた第2クォーター、10本連続で3ポイントシュートを外してリズムを崩すキャバリアーズに対し、ホークスが優位に立つ。ディフェンスリバウンドをドワイト・ハワードが支配し、デニス・シュローダーがアップテンポにボールを運んでいく。シュローダーは強気なゲームメイクでケント・ベイズモアへのアシスト、自らもドライブを仕掛け攻撃を牽引。ホークスは残り5分から17-4のランを見せ53-42と2桁リードを奪った。

だが3クォーターに入ると、キャブズの3ポイントシュートが決まり始め、反撃を受ける。

シュローダーの武器はその強気なオフェンス力だが、その一方でゲームコントロールには難がある。2ポゼッション連続でターンオーバーを犯し、レブロン・ジェームズに3ポイントシュート、3点プレーとなるバスケット・カウントを決められる。レブロンには第3クォーターだけで14点を許し、終盤に向けてリードは保ちつつも苦しい状況に追い込まれる。

ハワードはチームに勢いをつける17リバウンドを記録し、チームに貢献した。

大胆不敵、強気なメンタルが勝利を手繰り寄せる

第4クォーター残り4分を切り、キャブズの歯車がようやく噛み合う。レブロンのアシストからチャニング・フライが3ポイントシュートを沈め、ペイントエリアで体を張るケビン・ラブのフリースローもあり、3点差の接戦となる。

それでもこの試合のホークスは、王者キャブズに怒涛のプレッシャーをかけられながらも、若いバックコートコンビが精神的に受け身に回ることなく、自分たちのバスケットを展開する。リードしているチームとしては少しでも時計を進めたいと考え、メンタル的に守りに入ってしまうものだが、ベイズモアとシュローダーは少しでもスペースが空いたら積極的にゴールを狙った。ベイズモアが3ポイントシュートを返し、シュローダーも力強いドライブから加点しリードを保った。

それでもキャブズに力強く追い上げられ、残り25秒で108-106と2点差まで詰め寄られる。24秒ショットクロックを使い切って逃げ切ることを考えるのが順当だろうが、ホークスは違った。残り6秒、3ポイントライン上でノーマークでボールを受けたベイズモアは迷わずフィニッシュを選択。強気なシュートがリングを通過し、110-106とキャブスの息の根を止めた。

ホークスはシュローダーがキャリアハイの28得点、ベイズモアが25得点を上げチームを牽引した。また、ハワードも17リバウンドで勝利に貢献。ハワードのゴール下での働きがチームにリズムをもたらし、思い切りのいいシュートが打てたことがアップセットを呼び込んだ。

キャブスはアービングが29得点、ラブが24得点12リバウンド、レブロンが23得点とビッグ3が数字上はしっかり活躍したものの、チームの3ポイントシュート成功率が42本中11本成功で26%と低調だった。

キャバリアーズが敗れたことで、今シーズンのNBAは早くも全勝のチームがなくなった。圧倒的と予想されたウォリアーズもすでに2敗を喫し、開幕前の予想に反し『群雄割拠の戦国時代』の様相を呈しつつある。

アービングはゲームハイの29得点を上げるも勝利には届かなかった。