大野篤史

「もう少し、ヘッドコーチとして新たな旅を続けようと思っています」

千葉ジェッツは今日、大野篤史ヘッドコーチの契約解除を発表した。クラブによると、大野ヘッドコーチから申し出があり、双方合意のもとで契約解除になったという。

この夏に45歳になる大野コーチは現役引退後、パナソニックトライアンズと広島ドラゴンフライズでアシスタントコーチを務め、Bリーグ初年度の2016年に千葉ジェッツのヘッドコーチに就任。NBLでは中堅クラブだった千葉に、ハードなディフェンスと攻守の切り替えを重視したオフェンスを植え付けて、一気に強豪クラブへと引き上げた。千葉に在籍した6シーズンで3度の天皇杯優勝(2017年、2018年、2019年)、3度の東地区優勝とBリーグファイナル進出、そして2020-21シーズンにはチームをBリーグ優勝へと導いた。

大野コーチはクラブを通じて「いつも私たちチームを支えてくださり、さまざまな面からご支援してくださったパートナーの皆さま、地域の皆さま、いい時も悪い時も選手たちを力強く後押しをしてくれたブースターの皆さま、本当に6年間ありがとうございました」とコメントし、こう綴っている。

「そして、私がジェッツに来てから在籍してくれた全ての選手、チームスタッフ、フロントスタッフに心から感謝しています。早いもので千葉ジェッツに来てから6年が経ちました。初めてのホームゲームで見た船橋アリーナの光景にプレッシャーと恐怖しか感じなかったことを今でも鮮明に覚えています。最初はなかなかうまくいかず、ホームゲームの日が嫌で嫌で…笑」

「1年目のシーズン当初、うまくいかずに悩んでる私にヒロキは『オレは信じてるんで、やりたいことやってください』って言ってくれたね。あの言葉に本当に救われたよ。初めて優勝した天皇杯の時に、ヒロキが笑顔で私のところに来てくれたね。その時のあなたの『ほらね!』の一言で自信がついたよ。あなたが私を誘ってくれなければ、ジェッツに来ることもなかったし、こんなに充実した6年を過ごすことはできませんでした。ありがとう」

「嫌だったホームゲームも、いつの頃からかたくさんのブースターさんの前で試合をすることが楽しみになり、勝利の後には笑顔で喜んでくれるブースターさんの皆さんの顔を見るのがたまらなく好きになっていました。こんな無愛想な私にいつも笑顔で手を振ってくれて、たくさん声をかけてくれて、応援してくれて本当にありがとうございます。僕にとってジェッツのブースターさんは永遠の宝物です」

「6年間で船橋アリーナに7つのチャンピオンフラッグを掲げることができました。これは、6年間褒めることも少なく、厳しい言葉をかけてばかりの私についてきてくれた選手の努力と、スタッフみんなの日頃の努力、そして、どんな時でも私たちチームを支えてくれた皆さんとで一緒に戦い勝ち獲ったものです。これは本当に誇らしいことです! みんなで誇りましょうね」

「選手たちには勝つことと、支えてくれている人たちに喜んでもらうために、プロとして自分達ができることは何かと説い続けてきました。彼らは、その意味を理解し努力し続けてくれました。そんな彼らが、優勝という大きなことを成し遂げた時に見せるあの笑顔が見たくて、あの充実感、満足感を選手と一緒に分かち合いたくて6年間やりぬくことができました。本当に最高の選手たちに囲まれて幸せな時間を過ごすことができたよ。みんな本当にありがとう! みんなが最後に守ってくれたこと、最高に嬉しかった」

「別れはいつか訪れます。それがいつになったとしても寂しいものですが、皆さんのお陰で本当に充実した6年間を過ごすことが出来ました。 いつか千葉ジェッツの試合をブースターの皆さんと一緒にビールでも飲みながら観戦することを夢見ていたので、その夢に一歩近づいたとポジティブに考えることもできるかもしれません」

「もう少し、ヘッドコーチとして新たな旅を続けようと思っていますので、いちバスケファンとして観戦をするという夢の実現はまだ先になるかもしれませんが、私がいつか千葉ジェッツの試合を観戦しに会場へ訪れた時、今以上にたくさんのブースターの皆さんで埋め尽くされた光景を楽しみにしていますので、ぜひ、これからも千葉ジェッツを、コートで戦う選手達を、どうぞ支えてあげてください。よろしくお願いいたします」

『千葉ジェッツふなばしを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる』

「6年間皆さんをハッピーにできたかな? 私は皆さんと過ごしたこの時間がとてもハッピーでした。さようなら。6年間ありがとうございました」