フリースローをすべて沈めた比江島が最終クォーターに11得点
B1チャンピオンシップセミファイナル、川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックスの第2戦は終盤まで1ポゼッション差で推移する激戦となった。
先手を取ったのはアウェーの宇都宮。相手のダブルチームを逆手に取り、しっかりとパスを回してオフェンス優位な状況から3ポイントシュートを射抜いた。特にシュートタッチが好調な比江島慎は自らクリエイトしつつタフな3ポイントシュートを次々と沈め、開始3分半で4点プレーを含む10得点を荒稼ぎし、13-4と先行した。
しかし、ここからはタイムアウトを取ってすぐにディフェンスを修正した川崎の時間に。アウトサイドに当たりが来ず、攻め方を変えた川崎はリングへのアタックを増やし、インサイドへの合わせで連続得点を奪った。ジョーダン・ヒースが7得点、ニック・ファジーカスが6得点とインサイドの攻防を制し、マット・ジャニングがチーム初の3ポイントシュートを決めて、19-15と逆転して第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入り、川崎はゾーンディフェンスを起用。タフショットを打たせるなど機能していたが、渡邉裕規とチェイス・フィーラーに3ポイントシュートを決められるなど個で打開された。オフェンスではフリーを作るも当たりが来ず、ファジーカス以外の得点が伸びずに28-31と逆転されて前半を終えた。
後半に入るとリードチェンジを繰り返す一進一退の攻防が続く。川崎はようやくアウトサイドシュートに当たりが来はじめ、チームで9本中4本の3ポイントシュートを成功させた。一方の宇都宮はジョシュ・スコットがインサイドで奮起し、このクォーターだけで8本のフリースローを獲得。こうして中対外の構図となったが、52-52と全くの互角で最終クォーターに突入した。
その後も互いに3ポイントシュートを決め合い、オフィシャルタイムアウトの時点で同点(61-61)と拮抗した展開が続く。残り2分、ファジーカスの3点プレーで川崎が抜け出すかに思われたが、宇都宮はトラップ成功から鵤誠司の速攻に繋げて同点と、最後まで1ポゼッション差のまま推移し、均衡が崩れたのは残り1分を切ってからだった。残り46秒、ドライブからシュートファウルを獲得した比江島がフリースローを2本とも成功させて宇都宮が一歩抜け出す。そして、直後のポゼッションを守り切り、リバウンドを取った比江島がプッシュした際、ファウルゲームに持ち込もうとした篠山竜青がアンスポーツマン・ライク・ファウルをコールされた。比江島がアンスポーツマン・ライク・ファウル分も含めた4本のフリースローをすべて沈めたことが勝負の分かれ目となり、最終スコア77-73で宇都宮が勝利した。
最終クォーターに11得点を固めた比江島が24得点を記録し、スコットが17得点、フィーラーが12得点と続いた。川崎はファジーカスが24得点、ジャニングが22得点、ヒースが12得点を挙げたが、日本人選手の得点が伸び悩んだ。