パトリック・べバリー

「今は残念な気持ちでいるけど、これからが楽しみでもある」

2021-22シーズンのティンバーウルブズはシーズン前の予想を良い意味で裏切り、4年ぶりにプレーオフに進出した。

カール・アンソニー・タウンズ、ディアンジェロ・ラッセル、アンソニー・エドワーズというコアが揃ったチームが『戦う集団』に変わったのは、闘争心むき出しでプレーするベテランのパトリック・べバリーの存在が大きかったと言える。べバリーは、チームの可能性を信じてシーズン中に1年の延長契約を結び、来シーズンまでウルブズでプレーすることが決まっている。

シーズン最後の会見に出席したべバリーは、チームの成長を実感しつつ「来シーズンは今シーズンよりもハードになる」と語った。「目標を持って来シーズンに挑むけど、相手チームも自分たちを分析するだろうから、来シーズンの方が楽になるとは思っていない。むしろ、よりハードなシーズンになる。そのためにも心と身体をしっかり準備して臨まないといけない」

べバリーはグリズリーズとのファーストラウンド敗退の要因に経験を挙げた。「経験の差が大きかった。より経験を積んだチームが勝ったのだから、僕たちにとっては完璧な終わり方だったと言える。今回の経験を来シーズンに生かせるからね。リーグでの戦いは、より厳しいものになる。僕たちはそういう戦いに身を置きたい」

べバリーは、勝ったグリズリーズが経験を生かしてステップアップしたとも主張した。「グリズリーズが良い例。(昨シーズンのプレーオフファーストラウンドで)ジャズに負けて、彼らは今シーズンの(西カンファレンス)2位に躍進した。プレーオフを経験して多くを学べた。リードしていても、それを維持できない試合が多かった。それもこれも、全て経験の差。今は残念な気持ちでいるけど、これからが楽しみでもある」

チームとしての骨格が出来上がった以上、ウルブズのフロントも今年の夏に補強を実行するだろう。それ故に同じメンバーで来シーズンの開幕を迎えられない可能性が高いが、NBAのビジネス的な側面を理解しているべバリーは「絆を育むことができた」とシーズンを振り返った。

「僕は目の前の瞬間を受け入れて、楽しむことを心がけている。できることなら来シーズンも同じメンバーで戦いたいけど、このリーグのビジネス的な面も理解しないといけない。数人とは今後一緒にプレーしない可能性があるからこそ、目の前の瞬間を楽しむべき。僕はそれを常に心がけている。シーズンの大半を通じて、楽しめたと思う。ストレスもあったけど楽しめた」

「本来なら、シーズンを通じて平常心を身につけられたと言いたいところだけど、最後の最後にできなかったから、そうは言えない。でも絆を育むことができた。コート内外でチームメートと出かけて、交流して、兄弟のような関係性を築けた。そういう強い関係性、カルチャーというのは、新選手が加わっても、新たなシーズンを戦う上で重要になる」