ルカ・ドンチッチ

「全員で団結することが、このシリーズに勝つための鍵だった」

マベリックスが3勝2敗とファーストラウンド突破に王手をかけて迎えたジャズとのシリーズ第6戦は、マブスが最大リード8点、ジャズが12点と拮抗した末に、98-96でマブスが勝利し、カンファレンスセミファイナル進出を決めた。

41-53とマブスがビハインドを背負って後半を迎えたが、マブスは12本中8本の3ポイントシュートを成功させて第3クォーターを36-19と圧倒し、77-72と逆転して最終クォーターを迎えた。第4クォーターに入ってもマブスが1、2ポゼッションのリードを保っていたが、ドノバン・ミッチェルにドライブやフリースロー、ジョーダン・クラークソンのタップシュート、そしてミッチェルのドライブからルディ・ゴベアのダンクシュートと連続8得点を許し、残り4分21秒で88-88と同点に追いつれてしまった。それでも、マブスは直後のポゼッションでルカ・ドンチッチがディフェンスを引き寄せてドリアン・フィニー・スミスのワイドープンでの3ポイントシュートをお膳立てし、再びリードを奪う。その後は一進一退の攻防が続き、残り2分30秒にはボーヤン・ボグダノビッチに3ポイントシュートを決められ再び同点(94-94)に。しかし、ここでもドンチッチのキックアウトからジェイレン・ブランソンがコーナースリーを沈めてマブスが逆転を許さない。

ただ、もう後がないジャズがあきらめるわけもなく、ゴベアがゴール下のシュートをねじ込んで2点差に詰める。この第6戦はジャズのホームで行われていたこともあり、会場のファンはここ一番の盛り上がりでジャズに声援を送った。そして、98-96で迎えた残り4.3秒。タイムアウト明けのジャズはハーフコートからのスタートを選択するとオフボールで動き回り、逆サイドでフリーになったボグダノビッチにロイス・オニールがスローインからそのままパスを送る。この試合で6本中3本の3ポイントシュートを決めていたボグダノビッチだが、ラスト1.9秒で放った3ポイントシュートはリングに嫌われ、2点のリードを守り抜いたマブスが勝利した。

マブスはドンチッチが24得点9リバウンド8アシスト2スティール2ブロックと攻守にチームを牽引し、ブランソンも24得点で続いた。他にもスミスが3ポイントシュート9本中4本成功を含む18得点10リバウンド5アシスト、ベンチから出場したスペンサー・ディンウィディーも3ポイントシュート7本中4本成功の19得点を挙げて勝利に貢献した。

ドンチッチはボグダノビッチにワイドオープンで3ポイントシュートを許してしまったラストシーンについて「心臓が止まったよ」と素直に明かしつつ、マブスにとってNBA優勝を果たした2010-11シーズン以来のファーストラウンド突破に「幸せだ」と喜んだ。

「ここにたどりつくまで、僕たちは本当によく頑張った。僕たちはファーストラウンドを突破するのに値するチームだ。今日はみんな必死で戦っていた。良いプレーができたわけではないけど、みんなが団結していた。全員で団結することが、このシリーズに勝つための鍵だったんだ」

ジャズを下したマブスは、カンファレンスセミファイナルで第1シードのサンズと対戦する。ドンチッチは「彼らを倒すためには最高のバスケットをしないとね」と意気込んだ。

一方、ジャズはミッチェルが23得点8リバウンド9アシスト、ボグダノビッチが19得点、ゴベアが10得点12リバウンドで応戦したが、あと一歩届かず、運命の第7戦へ望みを繋ぐことができなかった。試合後、ミッチェルは「言葉がない」と肩を落とした。「僕のせいだ。自分自身でかなりのプレッシャーをかけていたけど、必要とされるプレーができなかった。もっと良くなる必要がある」

指揮官のクイン・スナイダーは、ラストショットを外してしまったボグダノビッチをこう擁護した。「ボーヤンはクラッチプレーヤーだ。今まで彼がビッグショットに次ぐビッグショットを決めてきたのを見てきた。ロッカールームにいる誰もが、彼にあのシュートを放ってほしかったんだ」

それでも、ボグダノビッチ本人は「言い訳はできない。あのショットは第7戦に行くために必要なものだったんだ」と落胆した。