テックス・ウィンター

写真=Getty Images

フィル・ジャクソンの右腕として10度のNBA優勝に貢献

黄金期のブルズとレイカーズでアシスタントコーチを務めた貢献したテックス・ウィンターが、10月10日に逝去した。享年96歳だった。

ウィンターは、カンザス州立大学、マーケット大学などで指導者を歴任した後、1985年にブルズのアシスタントコーチに就任。1989年にブルズのヘッドコーチに就任したフィル・ジャクソンが、ウィンターが考案した『トライアングル・オフェンス』を採用すると、マイケル・ジョーダンを中心としたチームは1990年代に2回のスリーピート(3連覇)を達成(1991~93、1996~98年)し、一時代を築いた。

ジャクソンが1999年にレイカーズの指揮官に就任すると、右腕のウィンターもともに移籍。レイカーズでも同様に『トライアングル・オフェンス』を導入し、コービー・ブライアントとシャキール・オニールのチームでスリーピート(2000~02年)を成し遂げた。ウィンターは、2008-09シーズンにレイカーズの相談役を務め、同年の優勝にも尽力している。

ブルズ時代にその指導を受け、現在ホーネッツの筆頭オーナーとしてチーム運営に携わっているマイケル・ジョーダンは、『Chicago Tribune』に以下の声明を寄稿している。

「私はコーチ・ウィンターから多くを学びました。彼が考案したトライアングル・オフェンスは、私たちが所属したブルズが、6回の優勝を成し遂げられた大きな要因の一つです。彼は精力的な指導者で、常にディテールに意識を向け、準備に余念のない素晴らしい指導者でした。彼の下でプレーできた私は幸運です。ご遺族に、お悔やみを申し上げます」

レイカーズも、悲報を受けて声明を発表。CEOと統括オーナーを兼任するジーニー・バスは「テックスは、チームを4回の優勝に導いてくれました。また、多くのコーチ、選手にとっての精神的な支えとしても尽力してくれました。バスケットボールにあらゆる部分で貢献した偉大な人物であると同時に、テックスは優れた人格者でもありました。もう彼に会えないことを心から残念に思います。ウィンター家のご遺族のみなさまに、お悔やみを申し上げます」

レイカーズ時代に指導を受けたコービーもまた、Twitterに以下のメッセージを投稿した。「彼は自分にとってのメンターだった。テックスとの1年目には、彼と毎試合の映像を端から端まで一緒に見直した。彼からは、すべてのディテールを研究する方法を教わった。彼は、あらゆる部分においてバスケットボールの天才だった。彼の死を心から残念に思う。テックス、ありがとうございました。あなたがいなかったら、今の自分はありませんでした。安らかに」

ウィンターは、その功績を称えられ、2011年にバスケットボール殿堂入りを果たした。