クロアチアの新鋭が上々のデビューを飾る
レイカーズ指揮官ルーク・ウォルトンは、11月2日のホークス戦で19歳の新人、イビツァ・ズーバッチにNBAデビューの機会を与えた。それも、先発センターに大抜擢したのだから驚きだった。
ティモフィ・モズゴフが左目の負傷により欠場したための措置だったが、ズーバッチは20分の出場で放った3本のフィールドゴールをすべて成功させ、6得点3リバウンドを記録。チームも123-116で勝利し連敗を止め、今シーズン2勝目をマークした。
試合後、ウォルトンはズーバッチのパフォーマンスについて、「緊張した様子もなく、良いプレーも決めていた」と評価した。
ルーキーは最初のポゼッションから狙われた。ペイント内で揺さぶられてマークを見失ったドワイト・ハワードにダンクを決められたのがNBAでのファーストプレー。だがその直後、ペイント内でボールを受けると、迷わず反転してフックシュートを沈めてレイカーズの初得点を記録する。マークに回ったハワードは、「一発カマした」後にルーキーがこれだけ思い切ったプレーに出るとは予想しておらず、止められなかった。
続いて216cmの体格を生かした寄せでハワードのシュートミスを誘うと、オフェンスリバウンドを拾った味方のアシストを受けて、またもフック気味のジャンプシュートを決める。もっとも、その後はリバウンド争いでハワードの身体を押さえつけてしまい最初のファウルをもらうと、老獪なハワードの策にはまって第1クォーターの半ばで3つのパーソナルファウルを犯しベンチに下がることに。
ファウルせずに相手のエースと渡り合うこと、チームプレーにもっと加わることなど課題も出たが、ウォルトンのコメントにもあったように、NBA初出場でいきなりの先発起用ながら物怖じせずに自らの持ち味を発揮できたのは、強いメンタリティの持ち主であるからこそ。まだ19歳と若く、ローポストでの得点力も魅力の一つ。モズゴフが回復すればベンチに戻ることになるが、若い選手に積極的にチャンスを与えるウォルトンの下では十分なプレータイムが得られそうだ。
2年目のディアンジェロ・ラッセルは、試合後、『ズー』の愛称で親しまれているズーバッチについて、「ドワイトはディフェンスについたズーにファウルトラブルを仕掛けていたけれど、彼はオフェンスでプレーを決めていたからね」と『LA Times』に語った。
オールラウンドに優れるブランドン・イングラムに続き、興味深い新人がNBAでのファーストステップを踏んだ。クロアチアの新鋭に今後も注目したい。