サンロッカーズ渋谷

45分間でターンオーバーはわずかに4「成長が見られた試合」

サンロッカーズ渋谷vsアルバルク東京の第1戦。後半は一度も2ポゼッション差以上開かない接戦が最後まで続いたが、ベンドラメ礼生が強気なアタックを続けて延長に持ち込み、同点で迎えたラスト2秒にジョシュ・ハレルソンがオフェンスリバウンドからゴール下を成功させたSR渋谷が最終スコア94-92で勝利した。

A東京はジョーダン・テイラーがケガのため、ライアン・ロシターがコンディション不良のため欠場となったが、SR渋谷もジェームズ・マイケル・マカドゥが欠場とベストメンバーが揃わなかった。

序盤はシュートタッチが好調なSR渋谷が先手を取る。ピック&ロールからズレを作り、アタックからキックアウトと連動したチームバスケットを展開した。リズムの良い状況から放たれるシュートは次々とリングに吸い込まれ、石井講祐にベンドラメ礼生、ジョシュ・ハレルソンにケビン・ジョーンズと4人が3ポイントシュートを沈めて先行した。ミドルレンジのシュートが決まらないA東京に対し、SR渋谷はミドルレンジもしっかり成功させ、合わせも決まるなど、15本中12本のフィールドゴールを成功させて29-18といきなり2桁のリードを奪った。

第2クォーターに入ると拮抗した展開が続いたが、徐々にSR渋谷ディフェンスを攻略していったA東京のペースに。SR渋谷の素早いローテーションとショウディフェンスに苦戦していたが、確実にオフェンス優位な状況を作り出し、序盤は決まらなかったミドルレンジのシュートも決まり始めた。そして、セバスチャン・サイズが2連続でミドルシュートを沈め、さらに速攻から3点プレーとなるバスケット・カウントを誘発する7連続得点で猛追。ラストポゼッションでフリースローを与えてしまったが、41-43と2点差に迫って前半を終えた。

その後は何度も同点、リードチェンジを繰り返し、2ポゼッション差以上開かない攻防が終盤まで続いた。SR渋谷の3点ビハインドで迎えた最終クォーター残り27秒、ベンドラメがドライブからシュートファウルを獲得し2本のフリースローを沈めて1点差に迫ると、ファウルゲームを選択した。A東京は田中大貴がファウルを受けることに成功したが、田中が1本目を外してしまった。SR渋谷は3ポイントシュートで逆転を狙わず、ベンドラメが再びドライブからシュートファウルを誘発し、2本のフリースローを成功させて延長戦に持ち込んだ。

その後も差がつかない展開が最後まで続き、残り11秒にアレックス・カークの3点プレーで同点に追いつかれたSR渋谷。それでも、直後のポゼッションを任されたベンドラメが3ポイントシュートを放ち、これが外れるも、ゴール下で陣取っていたハレルソンがサイズをしっかりとスクリーンアウトし、オフェンスリバウンドからゴール下のシュートを決めて熱戦に終止符を打った。

SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは前回の対戦で30点差で負けた試合にも触れ、このように総括した。「12月にやった時にはゲームになっていませんでした。、その時は16ターンオーバーで30点くらい失点していたので、ターンオーバーをしてしまったら自分たちのディフェンスの強度すら上げられないという話をしました。そういう意味では今日の数字は成長が見られた試合だと思います。ファウルトラブルもありましたが、みんなで45分間を繋いで、勝利できたのでとても大きな1勝かなと思います」

伊佐ヘッドコーチがそう言うように、両チームともにターンオーバーの少ない引き締まった試合となったが、45分間戦ったにもかかわらず、ターンオーバーではSR渋谷が4-8と、ミスの少なさも勝因の一つであった。

ワイルドカード2位を争う秋田ノーザンハピネッツとシーホース三河がともに敗れたことで、ゲーム差はゼロに。伊佐ヘッドコーチが言ったように、文字通り「大きな1勝」となった。