富士通は宮澤とオコエがファウルトラブルに
Wリーグファイナル、富士通レッドウェーブvsトヨタ自動車アンテロープスの第2戦。序盤はともにディフェンスの強度が高く、なかなかシュートが決まらない重い展開となり、拮抗した時間が続いた。しかし、残り2分を切り、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントに3ポイントシュート成功で7得点を奪っていた宮澤夕貴が個人2つ目のファウルを犯し、ベンチへ下がったところからトヨタ自動車のペースに。高さに加え柔らかなシュートタッチを持つシラ・ソハナ・ファトー・ジャが得点し、馬瓜ステファニーの3ポイントシュートで締めたトヨタ自動車が5点をリードして第1クォーターを終えた。
そして第2クォーターに入ると、インサイドで上回るトヨタ自動車がリードを拡大していく。スイッチディフェンスでズレを作らせず、タフショットを打たせて失点を最小限に防ぐと、オフェンスではインサイドにボールを集め、シラやステファニーが加点していく。宮澤がファウルトラブルの状況で、長岡萌映子や河村美幸を擁するトヨタ自動車にインサイドでは分があるのは明らかだった。富士通はダブルチームに行くも、インサイドアウトから3ポイントシュートを決められる悪循環に陥り、17-30とされたところでタイムアウトを要求した。
直後、富士通は内野智香英、町田瑠唯が連続で3ポイントシュートを沈め、悪い流れを断ち切ったかに見えたが、山本麻衣が要所で3ポイントシュートを沈め、43-29とリードして前半を終えた。
後半に入ると、富士通はすでに個人3つのファウルを犯している宮澤をコートに送り出す。宮澤はこの期待に応え、自身が起点となって得点するだけでなく、ディフェンスでもインサイドの劣勢を覆すパフォーマンスを見せ、この起用に応えた。そして一進一退の攻防が続き、トヨタ自動車の9点リードで最終クォーターを迎えた。
我慢を重ね、ビハインドを1桁に戻した富士通だったが、最終クォーター開始1分で宮澤が個人4つ目のファウルを犯し、ベンチに退いたことで集中力が切れてしまう。オコエ桃仁花もすでに個人4つとインサイドのキーマン2人がファウルトラブルに陥ったことで再びトヨタ自動車にペイントを攻められて失速した。
相手の弱いところを突くのは常套手段。トヨタ自動車は鮮やかなボールムーブからインサイドにボールを集め、馬瓜姉妹が次々とスコアしていった。そして残り5分13秒、シラがオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントを決めて一気に20点のリードを奪った。
残り4分を切り、オコエをファウルアウトに追いやったトヨタ自動車は、宮澤と町田へのマークを徹底し反撃の芽をつぶす。そして、最後までインサイドの優位性を維持したトヨタ自動車が最終スコア87-71で勝利し、連勝でWリーグ優勝を決めた。
要所で貴重なシュートを決め続けた山本と、ペイントエリアで強さを発揮したシラがともに19得点を記録し、馬瓜姉妹の2人で27得点を挙げた。オフェンスリバウンドでは18-7と圧倒し、インサイドの攻防が明確に勝敗を分けた試合となった。
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