ディフェンスを締め直し、最大17点のビハインドを覆す
群馬クレインサンダーズvs島根スサノオマジックの一戦は、ディフェンスを締め直したことでトランジションも機能した群馬が最大17点のビハインドを覆し93-85で勝利した。
前半は攻守ともに機能した島根が主導権を握った。ゾーンディフェンスを敷いた島根は素早いローテーションでズレを作らせず、ミドルシュートを打たせ続ける。カッティングからゴール下でのイージーなシュートを許す機会はあっても、前半の3ポイントシュートを10本中2本の成功に抑えるなど常に難しいシュートを打たせていた。
オフェンスではペリン・ビュフォードが内外から得点を量産。ショッククロックが残り少なくなった場面でボールを託されても、ほとんどの場面で個で打開し、フィールドゴール10本中8本を成功させ前半だけ20得点を挙げた。また、流れが島根が行きそうな場面で安藤誓哉が4点プレーを成功させ、オフェンスリバウンドを金丸晃輔の3ポイントシュートに繋げるなど、要所を締めた島根が前半を51-41で終えた。
後半に入っても島根の時間が続いた。安藤の3ポイントシュートで先制すると、ニック・ケイ、ニカ・ウィリアムスの速攻が決まり、開始3分でこの試合最大となる17点のリードを奪った。
しかし、ここから群馬の反撃が始まる。トレイ・ジョーンズとマイケル・パーカーのホットラインがようやく機能すると、前半は低調だった3ポイントシュートにも当たりが出始める。さらにディフェンスではチェンバースがビュフォードのアタックを封じ、周りの選手もボールに手を出して簡単にパスが入らない状況を作り出した。こうして攻守が噛み合った群馬はビハインドを4点まで戻して最終クォーターを迎えた。
その後も群馬の勢いが止まらない。これまでは素早いダブルチームに苦戦し起点を作れなかったオンドレイ・バルヴィンだが、しっかりとマークを見極め、数的有利な状況を作り出し、自らもスコアする。そして、山崎稜がディープスリーを含む2本の3ポイントシュートを沈め7得点を固めるなど、開始約3分で12-2と走り、一気に逆転した。
立て直したい島根だったが、前半とは打って変わり3ポイントシュートに当たりが来ない。さらにこのクォーターだけで6個のターンオーバーを犯すなど、群馬のハンドチェックに苦戦しオフェンスにリズムが生まれなかった。こうして、攻守が噛み合い10点前後のリードを保ち続けた群馬。残り1分8秒のキーナンの速攻からのダンクで3ポゼッション差にしたところで勝負アリとなった。
群馬はパーカーの19得点を筆頭に6人が2桁得点を挙げるバランスの良いオフェンスを見せ、速攻の得点(17-10)、ターンオーバーからの得点(18-12)、セカンドチャンスポイント(18-15)でも上回る完勝を収めた。一方の島根はビュフォードがゲームハイの30得点を挙げたが後半に失速し、今シーズン3度目の連敗となった。