富山グラウジーズ

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

インサイドを制すジョシュア・スミスを中心に攻守が機能

富山グラウジーズと横浜ビー・コルセアーズの開幕節第2戦。昨日の第1戦富山が安定した試合運びで勝利したが、今日の第2戦はそれ以上の内容で圧倒し、開幕2連勝を飾った。

富山は攻守ともに積極的な姿勢が結果につながったし、横浜はチームとして未成熟であることを露呈した。ティップオフでボールを保持した富山の最初の攻め。ゴール下でのオフボールスクリーンでレオ・ライオンズを簡単にフリーにしてしまい、ジャンプシュートで先制を許す。その直後、横浜はセカンドチャンスから川村卓也がインサイドのスペースを逃さずにイージーレイアップに持っていき同点とするが、ここからが良くない。

チームオフェンスの形を作らないまま個人で突っ込んでは、難しいシュートを外してリバウンドから走られた。ゴール下のジョシュア・スミスへとボールが入り、ジャボン・マックレアとチャールズ・ガルシアが囲んでいる状態なのに、2人とも見てしまって易々と得点を許し2-13。タイムアウト後にガルシアのファストブレイクでランを止めたものの、淡白な攻めから逆襲を浴びる悪い流れは変わらない。

富山はジョシュアがインサイドで存在感を発揮。横浜がペイント外に押し出そうとしてもビクともしないジョシュアを起点に、ジョシュアにダブルチームに行けばフリーの選手を的確に探し出してチャンスを作り出す。ディフェンスでも足がよく動き、タフショットを打たせてはリバウンドからの速攻に転じた。

富山グラウジーズ

セカンドユニットも含めチーム全員が一丸の働き

ベンチから出た阿部友和、水戸健史、比留木謙司も先発と遜色なく、むしろプレーの強度を彼らが上げることで横浜に立ち直るきっかけを与えない。第1クォーターはジョシュアとライオンズを中心に34得点、第2クォーターは日本人選手もバランス良く決めて27得点。前半を終えて61-30とほぼ勝負を決めてしまった。

横浜は田渡凌がダブルクラッチでゴール下をこじ開けるなど良いプレーがないわけではないが、いずれも単発に終わり、大きな流れを呼び込むには至らない。田渡、細谷将司、ハンター・コートと3人のポイントガードを同時起用する布陣も面白さはあったが、第3クォーターを終えて84-51と33点差では逆転は厳しい。富山はプレータイムをシェアしながら悠々と逃げ切った。

横浜はディフェンスが崩壊。指揮官トーマス・ウィスマンは「このリーグで戦うにはまだディフェンスが不十分。私が作るチームはディフェンスの強さが特徴だが、このチームはまだその段階に達していないのでディフェンスを教え込むことが最優先だ」と巻き返しを誓った。

富山はBリーグ3シーズン目にして初の100点ゲーム。ジョシュア・スミスは初戦の39得点17リバウンドに続き、この日は終盤に休んで27分半のプレータイムにして25得点18リバウンドと大暴れ。そのジョシュアが攻守を牽引したのはもちろんだが、出場9選手が全員得点、全員が10分以上プレーしてどの組み合わせでも横浜を上回る完璧な内容だった。

2連勝という結果はもちろん、内容的にも最高のスタートを切った富山。次節はアウェーの栃木ブレックス戦で、ここが真価を問われる一戦となる。