サンロッカーズ渋谷

何度も1ポゼッション差に迫られるも逆転を許さず

サンロッカーズ渋谷vs群馬クレインサンダーズの第1戦は前半だけで14のターンオーバーを奪取したように、終始ハードなディフェンスが機能したSR渋谷が78-70で勝利した。

開始3分半で9-9と序盤は拮抗したが、ハイプレッシャーからターンオーバーを誘発し、それを得点に繋げたSR渋谷がペースをつかんだ。ボールマンへのプレッシャーを高め、パスコースを限定させたところを狙いスティールを連発。ジェームズ・マイケル・マカドゥが長い腕を生かしたスティールから速攻に持ち込み、盛實海翔もワンマン速攻を決める。

このクォーターだけで6本のターンオーバーを誘発するなどディフェンスが機能したが、アウトナンバーの3ポイントシュートが外れ、速攻からの合わせでミスが出るなど、突き放し切れずに18-11で第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ってもSR渋谷のペースが続く。オンドレイ・バルヴィンのポストプレーやアキ・チェンバースの3ポイントシュートを浴び、3点差に迫られるシーンもあったが、デザインしたプレーを確実に遂行し、3ポイントシュートをしっかり沈めたことで再び主導権を握った。

インテンシティが下がらず、第1クォーターと同様にスティールからの速攻も冴えたSR渋谷はジョシュ・ハレルソンが3ポイントシュートを沈めて33-20とリードしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後、攻めあぐんだ後にマイケル・パーカーの速攻を浴びるなど、パーカーにこのクォーターだけで11得点を奪われて詰められる時間帯もあったが、チームで8本中5本の3ポイントシュートを沈め、速攻でイージーな得点を重ねたSR渋谷が13点リードで前半を折り返した。

だが後半に入ると群馬の時間帯が訪れる。1対1で抜かれず、ズレを作らせないディフェンスでタフショットを打たせ続けると、SR渋谷のお株を奪うかのように3ポゼッション連続で速攻を決めた。そして、チェンバースがタフな3ポイントシュートを沈め、ジャスティン・キーナンの得点が決まり、14-0のランで1点差まで詰め寄った。

約5分で前半の貯金を吐き出したSR渋谷だったが、ここから脅威の粘りを見せる。ハーフコートオフェンスが上手くいかず、リズムに乗れないこのタイミングで、ファウルを受けながら3ポイントシュートを沈めるベンドラメのビッグプレーが飛び出す。この4点プレーで落ち着くと、ジョーンズの3ポイントシュートがキーナンのゴールテンディングを誘い、リードを3ポゼッション差に広げた。こうして、逆転されそうなピンチを乗り越えたSR渋谷はジョーンズの3点プレーで締めて、63-53で最終クォーターへ突入した。

その後、SR渋谷が3ポゼッション前後をリードした状態で試合は推移したが、軽率なターンオーバーを犯しチェンバースに連続で速攻を浴び、残り2分で3点差まで迫られた。それでも、SR渋谷はここで崩れなかった。ディフェンスを引き締め直してギリギリで失点を防ぐと、すでにチームファウルが4に到達している群馬のインサイドを冷静に攻め、マカドゥとジョーンズがしっかりとフリースローを獲得した。そして残り46秒、ジョーンズがポストプレーからスコアし、リードを6点に広げて直後のディフェンスを凌いだSR渋谷がそのまま逃げ切った。

最終的に速攻での得点は18-23と群馬に上回られたが、SR渋谷は22のターンオーバーを誘発し、そこから31点を奪ったことで勝因となった。SR渋谷にとって約3カ月ぶりの連勝だったが、それ以上にワイルドカードでのチャンピオンシップ進出を目指す上で貴重な1勝となった。