横浜ビー・コルセアーズ

青木ヘッドコーチ「出だしからトーンをセットできた試合でした」

横浜ビー・コルセアーズvs新潟アルビレックスBBの水曜ナイトゲームはインサイドの攻防で上回り、2桁前後のリードを保ち続けた横浜が86-76で勝利した。

序盤の攻防を制したのはホームの横浜。レジナルド・ベクトンがパワープレーで加点し、パトリック・アウダも連携や速攻などでペイント内での得点を増やし、インサイドでイニシアチブを握る。また、速攻に3ポイントシュート成功と、途中出場のキング開が7連続得点を挙げる活躍を見せ、リードを2桁に乗せた。

それでも、納見悠仁が3ポイントシュートのブザービーターを沈め、ビハインドを1桁に戻した新潟が第2クォーターに反撃する。きっかけはベクトンの負傷だった。ここまでインサイドを制圧していたベクトンだが、ドライブからバスケット・カウントを獲得した際に膝を痛め、開始1分でベンチに下がることに。こうして、弱体化した横浜のインサイドを新潟が突いた。特に活躍が目立ったのがチリジ・ネパウェ。高さとパワーを生かし、6本中5本のフィールドゴールを成功させ、このクォーターだけで10得点の荒稼ぎを見せた。さらにジェフ・エアーズも柔らかなシュートタッチでスコアし、残り2分半で同点に追いついた。

それでも横浜はここから連続でセカンドチャンスポイントを奪い、ラストポゼッションを須藤昂矢の3ポイントシュートで締める。フィールドゴールのアテンプト数はともに31本だったが、3ポイントシュート成功数(10本中4本)、フリースロー成功数(10本中8本)で上回った横浜が46-39とリードして前半を終えた。

横浜は膝を痛めてベンチへ退いたベクトンが第3クォーターから登場。いきなりロスコ・アレンをブロックし、速攻を決めるなど、再びインサイドを制圧。アウダも得意の合わせ、ランニングプレーで得点を伸ばした。

新潟は決して悪いシュートではないものの、3ポイントシュートに当たりが来ず、インサイドで起点も作れないために得点が伸び悩んだ。そして開始4分半、アウダの速攻が決まり、56-43とここまでで最大のリードを奪ったところで新潟はタイムアウトを要求。第2クォーターに大活躍を見せたネパウエを投入しインサイドの攻防で互角に渡り合ったが、約5分の出場で2得点3アシストとゲームメークが冴えた河村勇輝を止められず、点差を詰めるには至らなかった。

その後、新潟の得点頭であるアレンに10得点を奪われたものの、最終クォーター開始2分半にキングの得点でこの試合最大となる18点にリードを広げた横浜がそのまま逃げ切った。

10連敗と厳しい状況が続く新潟だが、この試合ではネパウェが11本中10本のフィールドゴールを成功させ21得点と気を吐いた。平岡富士貴ヘッドコーチも「非常に身体を張ってフィジカルに頑張ってくれていましたし、ベクトン選手が負傷してプレーしていない時に彼が繋いでくれた」と収穫を挙げた。

連敗を3で止めた青木勇人ヘッドコーチは「試合の出だしからしっかりとトーンをセットできた試合でした。数々訪れたタフな時間帯をしっかりと耐え抜いて、各クォーターの終わりを強く終われたところが大きく、苦しい時間帯において両エンドでしっかりと自分たちのやるべきことを遂行しきれた試合でした」と振り返った。

要所の活躍が目立ったキングは2本の3ポイントシュートを含む5本すべてのフィールドゴールを成功させ、今シーズン4度目となる2桁得点を記録した。キングは言う。「もう大学生ではないので、プロ選手として毎回の課題をしっかり見つめ合いながら、積極的にトライしていきたい。冷静に自分を分析しながら、監督には思い切りやれと言われているので、気持ちをブラさずにやっていくだけです」