山下泰弘と田臥勇太のキャプテンが振り返る開幕戦「B1の舞台でやれるという喜び」

2018/10/07
Bリーグ&国内
4787

田臥勇太

取材=古後登志夫 構成=鈴木健一郎 写真=太田勝也

白熱したマッチアップ、栃木が福岡を振り切る

ライジングゼファーフクオカは昨日の栃木ブレックス戦を迎えるにあたり、胸を借りるつもりは毛頭なかった。できる限りの手段を駆使して、B1デビュー戦を勝ちに来た。それがティップオフでボールを得て、そのままパス一本で決めた速攻であり、いきなりのゾーンディフェンスだ。

福岡の山下泰弘は出だしの展開をこう語る。「出だしからアグレッシブにプレーして、栃木さんに僕たちのインパクトを残せたと思います。僕たちのホームゲームでしたので入りを重くするんじゃなく、最初からぶつかっていこうという姿勢があって、最初のジャンプボールからのプレーもサインプレーで練習してきたものでした。栃木さんにはまだ僕たちの情報があまりないと思っていたので、今まで使っていないフォーメーションをゲームの最初だったりタイムアウト明けだったりでうまく使えたと思います」

「その勢いに受け身になって慌ててしまった」と言うのは栃木の田臥勇太だ。「最初は福岡さんのゾーンに対して攻めきれなかったり、そこからターンオーバーが出てしまったりという展開で、第1クォーターで26点取られてしまったのは取られすぎです」

それでも栃木には「とにかくディフェンスをしっかりやって、自分たちのリズムに戻そう」というチームの共通意識があり、それを遂行することで立ち直る。15-26と2桁のビハインドを背負った第1クォーターから、第2クォーターは28-12と逆転に成功。その勢いを後半にも持ち込んだ。

山下はこの時間帯について「僕たちが裏をかいたところを栃木さんがアジャストしてきました。エリック(ジェイコブセン)の走りなどに対してのチェックが厳しくなり、そこから僕たちの足が止まってしまいました」と振り返る。

山下と田臥、両チームのポイントガード同士のマッチアップも熱を帯びた。「個人的に挑戦だと思って田臥選手にプレッシャーをかけました」と山下は言う。「うまくファウルを取られてしまい、そこからあまり積極的に行けませんでした。要所要所でコントロールされて、田臥選手だけは常に落ち着いてチームをコントロールしていました。僕たちが出だしで点数を上げた時も焦らず冷静で、そこは流石だと思いました」

田臥勇太

田臥「ミスをなくせるのが強いチーム」

序盤の奇策は成功したが、すぐさま立て直した栃木に逆転を許す。それでも福岡は粘り強く戦い続け、最終クォーターにもう一度波を持ってきた。ディティールにこだわる田臥にとっては、常にリードしていたとしても反省すべきポイント。「ここもディフェンスですね。コミュニケーションミスなどでちょっとしたズレが生まれてしまい、そこを決められてしまったので。点差を付けてもさらに引き離すメンタルとコントロールの仕方、そしてやっぱりディフェンスです」

「集中力を持続させないとミスは生まれてしまうし、追い上げる側は思い切り良く打ってきます。そういうミスがないように、というのは難しい部分ではあるんですけど、それができるチームが強いチームですので」と田臥は自らに言い聞かせるように語る。

一方で、福岡の側から見れば、追い上げる展開の中でもミスは目立ったし、結局はリバウンドやルーズボールのところで栃木を崩すことはできなかった。「どれだけ内容的に良い試合だったと言えるプレーをしたとしても、結果として勝てないと意味がない」と山下は言う。「そこは栃木さんが最後もうまくコントロールしていました。6点差にした勝負どころ、タイムアウト明けに遠藤(祐亮)選手に3ポイントシュート打たれてしまって。あそこを止めて1本返していればまた違った展開になっていたと思います」

「そこでしょうもないミスを減らして、逆に僕たちがコントロールできるようにならないと強いチームには勝てません。そこはチーム全員で共有しなければいけないと思います」

山下泰弘

山下「アグレッシブに挑戦していきたい」

山下と田臥に試合を振り返ってもらったが、2人が口を揃えたのは福岡市民体育館に詰めかけた3263人が作る雰囲気、そして白熱した試合が作り出す熱狂への喜びと感謝だ。山下は言う。「会場入りのところからお客さんがたくさん来てくれて、コートに入った時からモチベーションがすごく上がりました。試合が始まる時は本当にワクワクして、やっとB1の舞台でやれるという喜びがありました。お客さんが多くて僕たちがいつも以上の力を発揮できたのかなと思います」

普段からブレックスアリーナの熱狂に慣れている田臥にとっても心地良い空間だったようだ。「昇格したチームで、ホームゲームでの開幕ということもあり、勢いは絶対にすごいと思っていました。実際に試合をしてもファンの方の応援だったり、会場の雰囲気も流石で、敵ではありましたけど、こういう環境でやれるというのは選手としてうれしいので、一緒にBリーグを、バスケットを盛り上げていきたいと思わせてもらいました」

バスケを盛り上げる、という気持ちは敵味方を問わず共通するもの。ただB1での福岡の勝利を願うファンのために、より気合いが入るのは山下のほうだ。「今日が初めてのB1の舞台で、栃木さんを相手にB1のプレーを体感できました。明日はみんながそれぞれの持ち味を生かし、そして今日の反省を生かしながらアグレッシブに挑戦していきたいです」

今日の第2戦は14時5分ティップオフ。チームとしての成熟度と経験で上回る栃木が連勝スタートを飾るか、福岡がホームのファンにB1初勝利を届けるか。今日も注目の一戦となる。