鈴木ヘッドコーチ「プロの世界で勝てる選手になってきました」
シーホース三河は4月2日、ホームで京都ハンナリーズと対戦。23得点のダバンテ・ガードナーに加え、ここ一番の勝負どころで試合を支配した西田優大と、チームを牽引するダブルエースの働きにより三河が85-80で競り勝った。
立ち上がりで流れをつかんだのは京都でデイヴィッド・サイモンを軸に細川一輝のドライブ、久保田義章の3ポイントシュートが決まり11-5と先行する。しかし、三河もガードナーに加え、アンソニー・ローレンスがマッチアップした日本人選手とのミスマッチを突いて攻撃の起点となり追いついた。その後、三河はガードナー、京都はサイモンが前半だけでともに16得点と、エースが順調に得点を重ねることで互角の展開は続き、前半を三河の2点リードで終える。
後半の出だし、京都は細川がターンオーバー奪取からのトランジションでダブルクラッチを決めるなど、第3クォーターだけで4スティールと守備で流れを引き寄せ61-55と突き放しにかかる。しかし、ここで三河は長野誠史が3ポイントシュートを連続で決めて、食らいついていった。
第4クォーターに入っても一進一退の攻防が続き、残り3分を切って京都の1点リードと激闘は続くが、三河の西田がここから大暴れする。残り2分半にスティールを奪ってジェロード・ユトフの速攻をアシストすると、直後に3ポイントシュート成功。さらに残り1分半、1分と持ち味の鋭いドライブで守備を切り崩して、ユトフの3ポイントシュート、長野のインサイドでのシュートを演出した。
結局、第4クォーターの西田はラスト3分に出場しただけで5得点3アシスト1スティール1ブロックを記録。若きエースが千両役者ぶりを発揮した三河が、連勝を4に伸ばした。
三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは、勝因を次のように語る。「最初からタフな試合になりましたが、終わり方が非常に良かったです。最後は良いディフェンスをしてタフなシュートを打たせてリバウンドを取り、良い形でシュートを打てました。こういうプレーができれば勝ち星が増えていきます」
勝負どころで理想的なプレーを演出した西田だが、「前回の試合で活躍をしてくれましたが、満身創痍で非常に疲れていたので、今日は大分プレータイムを抑えました。ただ、最後の3分は彼のパターンをやろうと決めていました」とコンディションは万全ではないと指揮官は明かした。
ただ、そんな中でもここ一番で投入し100点満点のプレーで期待に応えた西田に、鈴木ヘッドコーチは大きな信頼を寄せる。「シュートを決め、アシストをして、ディフェンスを頑張ることができる。派手さはなくとも、大事なところでやれる成長を見られてうれしいです。プロの世界で勝てる選手になってきました」
今日の西田は、最終的に23分23秒の出場で9得点4アシスト。93-87で勝利した前回の名古屋ドルフィンズ戦(36分17秒で30得点)に比べると、数字の貢献は大きく下回る。しかし、第3クォーターまで低調でも、ここ一番での本領発揮でチームを勝利に導いたのは30得点に負けないインパクトだった。ワイルドカードでのチャンピオンシップ進出に向け苦しい状況が続く三河だが、ガードナー頼みにならず西田が今日の勝負強さを継続して見せることができれば、まだまだ逆転できる可能性は十分にある。
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