『B.LEAGUE#LIVE2021』がいよいよリリースされたこともあり、Bリーグへの関心がさらに増してまいりました。今回は3月10日から16日に開催されたBリーグの中で特に活躍が目立った選手をピックアップし、その理由を分析していきたい。
遅れてきたドラフト候補、アンソニー・ローレンスⅡ
滋賀との2連戦両日の大活躍で2連勝に貢献したローレンス。ジュロード・ユトフのインジュアリーリスト入りに合わせて三河が獲得した選手で、こちらもユトフと同じく元Gリーグ(NBA下部リーグ)所属。特に活躍したGAME2のスタッツはこちら。
プレータイム(MP)31
得点(PTS)29
3ポイント成功数(3FGM)1
3ポイント成功率(3FG%)100%
フィールドゴール成功数(FGM)10
フィールドゴール成功率(FG%)62.5%
フリースロー成功数(FTM)8
フリースロー成功率(FT%)88.9%
オフェンスリバウンド(OR)3
リバウンド数(TR)9
アシスト(AST)2
スティール(STL)0.8
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)0.66
※この数字が高いほど優秀
三河にはシェーファー・アヴィ幸樹が在籍しているため本来のSF起用が可能で、この日も日本人SFとのミスマッチを攻める戦略であった。さらには三河の戦略上ダバンテ・ガードナーがトップ付近でボールを受けるため、本来はヘルプDFに入るべきセンタープレーヤーをコートの高い位置(3PTライン付近)で足止めできる点もローレンスにとって追い風になっていた。ローポストからのパワープレー、ウイングからのドライブなどによって、前半だけで20得点を荒稼ぎし勝利に貢献。この連戦でアピールに繋がったことは間違いないが、同様のプレースタイルを持つユトフが復帰したことによるプレータイム獲得が今後の課題だろう。
佐賀でプレータイム大幅増! ペリー・エリス
11月まで大阪エヴェッサに所属した、3PTも打てるパワーフォワードで、アースフレンズ東京Z戦では両日ともスターターで出場。今回は31得点を記録したGAME2を中心に分析していく。
プレータイム(MP)33
得点(PTS)31
3ポイント成功数(3FGM)1
3ポイント成功率(3FG%)20%
フィールドゴール成功数(FGM)14
フィールドゴール成功率(FG%)63.6%
フリースロー成功数(FTM)2
フリースロー成功率(FT%)66.7%
オフェンスリバウンド(OR)3
リバウンド数(TR)9
アシスト(AST)2
スティール(STL)1
ブロック(BLK)1
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)2.00
GAME2でもパワーフォワードとしてスターター起用。14得点を奪った第2クォーターにおいては、序盤はハイポスト(正確には左エルボー)の位置から攻撃を開始。佐賀のピック&ロールに対して東京ZがショーDF(ビッグマンDFが一歩以上前に出てボールマンの侵入を防ぐ)を採用していたため、ロールするファイパプ月瑠に対しパット・アンドレー選手(エリス選手のDF)がヘルプDFに入る必要が出てくる。その空いた隙を狙い、オープンないしは、ミスマッチを突いてスコアしていった。中盤から終盤にかけては、エリスがボールを持ち、ガードの選手がスクリーンをかける形のピック&ポップからスイッチ、またはギャップを作ってのジャンプショットをことごとく決めていた。もともとシュートが上手い選手であるため、重量系PFにマークされるシチュエーションにおいては、今後もこのような活躍が期待できる。
大逆転の立役者!福澤晃平
3月16日の渋谷戦で大量ビハインドをひっくり返した茨城のスコアリーダー。3月6日の京都ハンナリーズ戦での27得点に続き、調子を上げている。
プレータイム(MP)23
得点(PTS)20
3ポイント成功数(3FGM)5
3ポイント成功率(3FG%)100%
フィールドゴール成功数(FGM)6
フィールドゴール成功率(FG%)60%
フリースロー成功数(FTM)3
フリースロー成功率(FT%)75%
オフェンスリバウンド(OR)0
リバウンド数(TR)4
アシスト(AST)4
スティール(STL)1
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)1.33
この日は特に第4クォーターでの活躍が素晴らしく、4分43秒の出場で3PTを本中2本成功させ FTを4本中3本成功させての9得点を記録。得点期待値(1回の攻撃で期待できる得点)は1.8点と驚異的な数値を残している。このクォーターでともに素晴らしかった平尾充庸や多嶋朝飛のピック&ロールが始まると、ウィークサイドに陣取る福澤のDFがヘルプに入る瞬間を見逃さずトップへリフトする動きから2本の3PTを決め、SR渋谷がスイッチ(DFマークの交換)した瞬間にスピードのミスマッチを突いてフリースローを得るなどバスケットIQの高さを見せつけた。早めのヘルプに入る、ディフェンスのセオリーに忠実なチームと対戦する際には、今後も福澤の駆け引きが生きるシーンが増えるはず。