ドワイト・ハワード

写真=Getty Images

優勝リング欲しさでの移籍を否定

このオフにフリーエージェントになったドワイト・ハワードは、7月下旬の入団会見で、ジョン・ウォールの誘いが移籍の決め手になったことを明かした。それと同時に、王者ウォリアーズへ移籍する可能性があったこともメディアの前で話し、話題を集めた。

黄金期にあるウォリアーズに移籍した方が、単純に優勝の可能性は高かった。だがハワードは、敢えてウォリアーズを選ばなかった。その理由を、『NBC Sports』に明かした。

ハワードは、「ゴールデンステイトは、この何年かで数回優勝した。そういうチームに移籍して優勝しても、『もう勝っているチームに移籍した』と言われる」とコメント。そして「でもDCでは、最後に優勝した時のチーム名は、僕の記憶違いでなければ、ウィザーズではなくてブレッツだった。こっちの方が、街にとってのインパクトは大きい」と、続けた。

ハワードの言うとおり、ウィザーズが最後に優勝したのは1977-78シーズンで、チーム名も当時はブレッツだった。優勝した翌シーズンもブレッツはNBAファイナルに進出したものの、スーパーソニックスに敗れて連覇達成とはならなかった。それ以降、ブレッツも、ウィザーズも、プレーオフでカンファレンス・セミファイナルを突破できていない。

近年では、ケビン・デュラント、デマーカス・カズンズらオールスターがウォリアーズに集結し、優勝リング欲しさでの移籍と批判されている。彼らより年齢が上のハワード(32歳)は、マジック時代の2009年にファイナルに進出したが、優勝はまだ一度もない。ハワードは、ウィザーズがカンファレンス・ファイナル以上のラウンドに進出した時の街の様子が想像できると言う。「ナショナルズ(MLB)、キャピタルズ(NHL)、ミスティックス(WNBA)がプレーオフで勝ち上がる姿を見てきた。彼らがDCのためにしてきたことを知っている。僕たちが勝ち上がったら、すごく盛り上がるだろうね」

他の選手とは価値観が異なると言われることが多いハワードの決断が実を結ぶかどうか、そして来春ワシントンDCに熱狂をもたらせるかどうか、元NBA最強センターの奮闘に期待したい。