トリスタン・トンプソン

インサイドの選手層を強化、デローザンは「素晴らしい補強」と称賛

トリスタン・トンプソンはタイリース・ハリバートンとバディ・ヒールドとともにキングスからペイサーズへとトレードされた。新天地で4試合に出場したが、オールスターブレイク前のウィザーズ戦を終えたところでヘッドコーチのリック・カーライルは彼との契約を解除すること、ブルズと新たな契約を結ぶであろうことを明かした。そして現地2月19日、ブルズがトンプソンとの契約を正式に発表している。

ブルズは38勝21敗、ヒートと並んで東カンファレンスの首位に立っているが、ビッグマンの層の薄さは問題だった。開幕間もないタイミングでパトリック・ウィリアムズが左手首の靭帯断裂で長期離脱となり、スモールラインナップでの戦いを余儀なくされている。もともとインサイドの選手層は薄く、ニコラ・ブーチェビッチの負担が大きかった。また本来はスモールフォワードのデマー・デローザンがパワーフォワードに、ポイントガードのアヨ・ドスンムがシューティングガードに、といった具合に適正ポジションとは異なる起用も増えていた。

トレードデッドラインでは動きがなく、バイアウト市場で即戦力を探すと予想されたブルズにとって、キャバリアーズで優勝争いを演じるなど経験豊富な30歳のトンプソンは、まさに即戦力として期待できる。トンプソンに期待されるのはリムプロテクトとリバウンド、そしてサイズのある相手エースに対するフィジカルなディフェンスだ。東カンファレンスの上位をキープするには、ヤニス・アデトクンボやジョエル・エンビード、バム・アデバヨ相手に簡単に押し切られないディフェンスの柱が必要になる。ブーチェビッチも今シーズンは今まで以上に守備を重視し、自己犠牲を払ってチームプレーに注力しているが、その負担をトンプソンが軽減できる。

トンプソン獲得の噂が出た時点で、デローザンは「彼のことは何年も前から知っているよ」とコメントしている。「優勝争いの経験があるし、僕の友人でもある。彼がチームにどんな貢献ができるかは分かっているよ。素晴らしい補強になると思う。ベテランのリーダーシップ、このリーグを勝ち抜くために必要なものを知る経験は、僕らにとって大きなプラスになる」