クリス・ポール

写真=Getty Images

「世の中には自分より酷い不運を経験した人が多くいる」

昨夏にロケッツに加入したクリス・ポールは、過去を必要以上に考えない性格の持ち主だ。

昨シーズン西カンファレンス1位でプレーオフに進出したロケッツは、順当にカンファレンス・ファイナルに勝ち進み、王者ウォリアーズと激突した。シリーズは序盤から白熱した展開になり、ロケッツは第5戦を終えて3勝2敗と王手をかけた。ところがその第5戦の終盤、クリス・ポールがハムストリングを負傷。キャリア初のNBAファイナル出場をほぼその手中に収めていたのだが、彼を欠いたチームは第6戦から連敗を喫してシーズンを終えた。

タイトル獲得への思いが強かっただけに、失望も相当なもののはずだが、ポールはすでに気持ちを切り替えて、試練を力に変えている。「これまでだって困難、試練を経験してきた。決まり文句のようだけれど、そういう経験が自分を強くしてくれる」と語った。

これまでのキャリアでも、ポールはプレーオフ中にケガをすることが多く、司令塔を失ったチームはそのたびに負けてきた。それでも彼は、不運を言い訳にせず、事実として受け入れている。「起こってしまうことはどうにもならない。これまでに自分が経験したことが不運なのだとしても、世の中には自分よりもっと酷い経験をした人がたくさんいる。何が起こっても切り替えて、前を向かないといけない。次に進まないといけないからね」

オフにフリーエージェントになったポールに対し、ロケッツは4年1億6000万ドル(約181億円)のマックス契約という最高の評価を与え、再契約を結んだ。球団の期待に応えるには、結果を残すしかない。