オコエ桃仁花

「とにかく自信を持ってプレーすることを期待されていると思います」

東京オリンピックでのオコエ桃仁花は、渡嘉敷来夢の故障離脱により層の薄くなったインサイドで大黒柱の髙田真希をサポートする役割を担った。その後のアジアカップでは髙田不在のチームで主力へとステップアップし、オリンピックで12.2分だったプレータイムは23.5分へと倍増。得点は4.2から13.8得点へと伸び、アジアカップ5連覇に大きな貢献を果たした。

U-19日本代表でオコエを指導した萩原美樹子ヘッドコーチは当時、「身体が大きいんですけど瞬発力があり、一瞬の速さが非常に速い」とその素質を評価すると同時に「まだ自分の潜在能力を半分も使っていない。これから自分次第でいろんなことができるようになる」と語っていたが、22歳になった今のオコエは急ピッチでの成長を続けてプレーの幅を広げている。

「オリンピックで銀メダルは取れたんですけど、相手はもっと上を目指して練習していると思うので、同じバスケットじゃなくて質の高い練習をできるようにやっていくのが大事」とオコエは語る。

「(馬瓜)ステファニー選手だったり(赤穂)ひまわり選手、同い年の選手がすごく刺激になっていて、自分も一緒にやってて、見ていて本当に上手いと思うことが何回もあるので、下の選手から底上げできるように、プレーもそうですし、声を出したり、ミーティングの時に発言したり、下の世代からやっていきたいと思います」

今回は髙田と渡嘉敷の揃い踏みとなり、インサイドの選手層はオリンピック以上に強力となった。オコエから見た渡嘉敷は「プレー内でもプレー外でも常にコミュニケーションを取ってくださるので、すごくお手本になる存在ですし、日本に足りない高さを持っている」であり、「アメリカと戦った時には(ブリトニー)グライナー選手がちょっと大きすぎたので、そこでの来夢さんの守り方を学んでいきたい」と、同じチームでプレーすることで新しい学びを得られると考えている。

とはいえ、様々な経験を積んで成長した今、実績ある選手がいる中でも自分らしさを出してチームに貢献するつもりだ。「3ポイントシュートとドライブ、センターのディフェンス。あとはコートの中でも外でもポジティブな言葉をいろんな人にかけていくこと、とにかく自信を持ってプレーすることを期待されていると思います」

このポジティブさがオコエらしさだ。「常に笑顔でプレーするのと、コミュニケーションを取るのが得意だと思うので、積極的にコミュニケーションを取っていきます。プレーの面では世界に通用するプレーをしていきたい。オリンピックの時は自信がどんどんなくなってしまうのが欠点だったんですけど、とにかく自信をつけるためにコーチ陣に自分の良いところを聞いたり、積極的に自分からコミュニケーションを取って、自分がどういう部分で評価されているのかを知って、リーグ戦でまず自信を持ってプレーして、それを今の代表に繋げていこうって感じです」

期待の若手から日本代表の主力選手へとオコエは成長しつつある。今回のワールドカップ予選でも、ポジティブでアグレッシブなプレーで、その成長ぶりを見せ付けてもらいたい。