馬瓜エブリン

取材=小永吉陽子 構成=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

若いチームで中堅に「チームに勢いを付けるのが役割」

バスケットボールの女子ワールドカップはグループリーグを終え、折り返し地点に差し掛かった。2勝1敗ながらグループ3位通過となった日本代表は今夜、ベスト8進出を懸けた準々決勝予選で中国と対戦する。

ここまで、敗れたスペイン戦では堂々の戦いを見せたものの、続くベルギー戦とプエルトリコ戦ではアップダウンが激しく試合をコントロールできず、勝ったにもかかわらず課題の残る内容となった。馬瓜エブリンも同様で、グループリーグ通過を決めた直後にも表情は浮かない。「トムさん(ヘッドコーチのトム・ホーバス)は日本のバスケットをして圧倒的に勝ちたい気持ちがあったんです。ただ自分自身もそうなんですけど、チーム的にも流れに波があって、できていない部分が多かったです」

馬瓜はここまで3戦すべてにスタメン出場。経験が浅くサイズもないチームにおいて、得点にリバウンドにと奮闘し、平均26分のプレータイムを得て10.7得点と結果を残している。ただ、その内容すべてに納得しているわけではない。昨日のプエルトリコ戦も前半は消極的で、本来の持ち味を出せたのは後半からだった。

「やっぱりトムさんの檄が効いたんだと思います、ハーフタイムに(笑)」と、試合途中で相当に喝を入れられたであろう様子を思い出した馬瓜は苦笑混じりで「本当はそういうのを言われる前に自分で前半からやっていかなきゃいけないんですけど、そこがまだまだ」だと話す。

それでも「しっかり修正できたところは良かった」と前向きな気持ちは失っていない。「やっぱり苦しい場面であったり、良い場面でチームに勢いを付けるのが自分の役割で、そういう時にしっかりリングに向かっていこうと思っているので」と、収穫は収穫として自信に変えている。

延長にもつれたベルギー戦でも、馬瓜は土壇場で同点の3ポイントシュートを沈めており、今大会では勝負強さが光る。それでも「今はチーム全体が髙田(真希)先輩と宮澤(夕貴)先輩に負担を掛けてしまっています。自分ももっとステップアップしなきゃいけないとトムさんに言われています。ずっと下の選手としてやってきたんですけど、『もう若くない』と言われています。これからそういった選手にならなきゃいけないと自覚を持ってやっていきます」

馬瓜エブリン