アルバルク東京

最終クォーターにはサイズがペイント内を支配してリードを広げる

1月22日、アルバルク東京はホームで大阪エヴェッサと対戦。新型コロナウイルスの影響でチーム活動の停止を余儀なくされ、両チームともに1月3日以来の試合となる中、後半わずか30失点とディフェンスを立て直したA東京が90-77で逆転勝ちを収めた。

試合の出だし、A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチが「ゲーム勘を戻すまでに個人、チームで数多くのミスがありました。もう少し、ディフェンスで激しく当たる意識を高めるべきでした」と反省したように、大阪は相手の隙を突いてアイラ・ブラウン、ディージェイ・ニュービルが外角シュートをテンポ良く決めてリズムに乗り13-4と先手を取る。

その後、A東京は小酒部泰暉の奮闘などで盛り返すが、大阪は第1クォーターだけで14得点といきなり爆発したニュービルの活躍によって30-26とリードを奪う。さらに第2クォーターに入っても大阪はペイント内へのアタックが機能し、デイビッド・ドブラスの連続得点で一時は12点にまでリードを広げる。

A東京はフリーからの3ポイントシュート、ゴール下へのドライブなど、自分たちのやりたい形でシュートチャンスを作るが決まらない嫌な流れとなる。しかし、ここから守備で踏ん張って我慢すると、大阪にミスが出たこともあり4点差にまで追い上げて前半を終える。

迎えた後半の立ち上がり、A東京は田中大貴がピック&ロールからのドライブで大阪ディフェンスを切り崩し第2クォーター終盤の良いリズムをキープする。さらに持ち味の堅守で大阪にタフショット打たせることで、トランジションに繋げイージーシュートのチャンスを作り出す。その結果、第3クォーターはチーム全体でフィールドゴール18本中11本成功と次々とシュートを決めて逆転した。残り2分半には田中のスティールからザック・バランスキーの3ポイントシュートへと繋げて69-56と大きく突き放す。

大阪もニュービル、ドブラスがタフショットを決めて粘り第4クォーター早々に4点差にまで盛り返す。だが、A東京は引き続き見事なディフェンスを披露し、主導権を渡さない。さらにこのクォーターだけで4つのオフェンスリバウンドを奪い、9得点を挙げてペイントを支配したセバスチャン・サイズの活躍により、残り5分で再び2桁にリードを戻すとそのまま押し切った。

アルバルク東京

「やれることに集中してやる。全力で前に進むだけです」

振り返ればA東京は、第1クォーターは大量30失点だったが、第2クォーター以降は各クォーターすべてで20失点以下と、試合の中で見事なアジャストを披露。第3クォーターだけで8得点と後半早々に逆転する原動力となったザック・バランスキーも、堅守が勝因になったと語る。

「久しぶりの試合で重い立ち上がりになると思っていました。上手くいかないこともある中、後半はしっかりチームで立て直して、得意のディフェンスからアグレッシブに攻めてチーム力で勝てた試合だと思います」

今週も多くの試合が中止になるなど、1週間先がどうなるのか分からない状況が続き、各チームが60試合をこなすのが難しく、1勝の重みが増す展開になってきている。それでもバランスキーは「気持ちの変化はないです」と、いつも通りやるべきことを遂行していくのみと言う。「いつ試合が中止になるのか予測できない中、目の前の試合に集中してやるだけです。今は本当に誰がコロナウイルスの陽性反応となってもおかしくない状況だと思うので、やれることに集中してやる。全力で前に進むだけです」

この先行き不透明な中でも、普段通りの集中力を持って戦うのは決して簡単なことではない。それを久しぶりの実戦で、コンディションが万全でない中でもできたからこそ、今日のA東京は勝利をつかむことができた。あらためて王者奪還を至上命題に掲げるチームの底力を感じた一戦となった。