ニコラ・ヨキッチ

アーロン・ゴードンの決勝点をアシスト「ドアが開くのを待っていた」

現地1月19日に行われたナゲッツvsクリッパーズは延長にもつれる激闘となった。クリッパーズはカワイ・レナードとポール・ジョージの両エースを欠くが、それでもレジー・ジャクソンとイビツァ・ズバッツに良いバランスを見いだしている。1週間前のホームでのナゲッツ戦ではロースコアの展開に持ち込み、87-85と勝利を収めた。

だが今回はナゲッツのホームゲーム。そして前回は21得点13リバウンド8アシストと活躍しながら敗れたことで、ニコラ・ヨキッチには気合いが入っていた。前半を終えて47-59と12点のビハインドを背負っていたが、後半開始から7分で同点に追い付いた。48分間では決着がつかず、試合は延長へ。その時点でヨキッチは38得点9リバウンド9アシストと『トリプル・ダブル級』の活躍を見せていた。それで足りなければ本当にトリプル・ダブルをやるのがヨキッチという選手だ。

オーバータイムに入って11得点を積み重ねたヨキッチは、残り35秒でバスケット・カウントをもぎ取り、この試合16本中14本を成功させたフリースローも決めて127-125と逆転する。2点を取り返されて同点とされたが、残り26秒でのリスタートでボールを託されたヨキッチは至極冷静だった。

「相手に時間を残したくなかったので、まずは時間を使った。(アミア)コフィ―が(ウィル)バートンを捨ててダブルチームに来て、ジェフ(グリーン)がダンクを狙って動いた。同じタイミングでモンテ(モリス)もカットしたから反対側が空いたんだ。僕にはすべて見えていた。ドライブしたら、多くのディフェンスがいるところに飛び込むことになる。その上を通したかった。ただドアが開くのを待って、そこにパスするだけだった」

『ドアが開いた』その先、左のコーナーで待っていたのはアーロン・ゴードンだ。ブランドン・ボストンが慌てて戻るも、一度ゴール下を塞ぎに動いていたので間に合わない。ゴードンの3ポイントシュートが決まって勝敗は決した。ヨキッチはこれでアシストを10に乗せ、49得点14リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録した。

「ダブルチームに来なかったら自分で決めに行ったかもしれない。でもその前に、決めていれば延長に入ることなく勝っていたチャンスでミスしていたから、どうだったかな(笑)。でもやっぱり行ったと思う。ただ、大事なのはダブルチームを受けた時に良い判断をすること。それができたと思う」

ヨキッチが作り出したラストショットの好機を確実に決めたゴードンは「パスが出てくると信じて待っていた。彼が僕を狙っているのは分かっていたから、気持ちの準備はできていた。あとは打って、決めるだけだった」と、そのシーンを振り返る。

センターの選手が45得点以上を奪ってトリプル・ダブルを記録するのは、1970年のカリーム・アブドゥル・ジャバー以来のこと。ナゲッツはケガ人続出で苦しいシーズンを送っているが、ヨキッチはMVPに輝いた昨シーズンを上回るプレーを見せている。

「今日の僕は怒っていた。自分のプレーにもチームメートにも怒っていたんだと思う。その感情をぶつけて得点を取ろうとした」と、ヨキッチは感情がプレーに反映されていたと言う。「それで自分勝手なプレーをした場面もあったかもしれない。でも結果として、いつもよりアグレッシブにプレーできた」

「今日の試合はプレーオフみたいな雰囲気もあった。すべてのポゼッションが本当にフィジカルで、アップダウンが激しかったし、僕自身も気持ちが落ちてしまう時間帯もあった。だけど、ロサンゼルスで負けた試合で25点リードから逆転されたことを考えた。あんな試合は二度とやらないと誓ったんだ。それが今日の試合を熱くさせたんだと思う」