「個人賞の受賞を伝えるためだけに電話をかけることは許されない」
NBAキャリア10年でブルズ、ティンバーウルブズ 、セブンティシクサーズ、そしてヒートと渡り歩いたジミー・バトラーは、ようやく『ホーム』と呼べる環境を手に入れた。
一昨シーズンにヒートのNBAファイナル進出の原動力となった彼は、今年のオフに球団と4年約1億8400万ドル(約200億円)という高額な延長契約を締結し、36歳になるまでヒートでプレーすることが決まった。球団もバトラーの実力、リーダーシップを高く評価しているからこそ、これだけの契約を提示した。
そのバトラーが何よりも優先するのはチームの勝利だ。そのためならチームメートが相手でも伝えるべきことをオブラートに包まずに言う性格で、これまでに所属した3チームでは若い選手とそれで衝突することもあった。
また、バトラーは個人賞の類にも全く関心を示さない選手としても知られているが、その性格を表すエピソードを代理人のバーニー・リーが『Miami Herald』に明かしている。
昨シーズンのバトラーは、52試合に出場して平均21.5得点、6.9リバウンド、7.1アシストを記録し、オールNBAサードチーム、そしてオールディフェンシブ・セカンドチームにも選出された。
本来なら喜ぶべき栄誉のはずが、代理人のリーは「ジミーに関しては、個人賞の受賞を伝えるためだけに電話をかけることは許されない」と語った。「ジミーにとってはなんの意味もない。彼にオールNBAチーム入りを伝えようと思って電話をかけた際、『オール』と言っただけで電話を切られた。彼はそのくらい個人の賞に興味がないんだ」
球団トップからコーチ、選手に至るまで、バトラーと同じくらい勝利を優先するカルチャーが根付いているヒートは、今年のオフに優勝経験者のカイル・ラウリーとPJ・タッカー、そしてベテランのマーキーフ・モリスを獲得するなど、積極的な補強を実行した。勝つこと以外は眼中にないバトラーを中心にどういうチームになるのか、新たなシーズンが待ち遠しい。