マイク・コンリー

サラリーキャップに余裕はなく、他の主力の放出も?

エースのカワイ・レナードが不在という危機に奮起し、チームの結束を強めたクリッパーズに屈し、ジャズのシーズンは終わった。それでもレギュラーシーズンでは全30チーム最高勝率となる72%(52勝20敗)を記録し、カンファレンスセミファイナルまで駒を進めた今シーズンは決して悪いものではなかった。

プレーオフを勝ち抜くために必要な戦い方の多様性こそ欠いたものの、コート上の5人が高いレベルの共通意識を持って攻守に隙のないバスケを展開しており、来シーズンに向けてできる限りこの体制をキープして再挑戦したい、というのがフロントとチームに共通した意向だろう。

ルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルの年俸が上がる来シーズン、ジャズにサラリーキャップの余裕はない。『ESPN』が予想する来シーズンのサラリーキャップは1億3660万ドル。ゴベア(3500万ドル)とミッチェル(2800万ドル)でその約半分を占める。それでもフロントは、今シーズンのチームで最も高い3450万ドル(約38億円)の年俸を得ていて、今オフにフリーエージェントになるマイク・コンリーの引き留めに動くようだ。

『The Athletic』はジャズ関係者の話として「コンリーを残留させるために、あらゆる手段を検討する」との発言を紹介している。

マックス契約であれば5年2億2800万ドルとなるが、今オフに34歳になる彼にそこまでのオファーを出す必要はなさそうだ。他のチームからどんなオファーがあるか次第だが、ケガが多く、今シーズンもハムストリングを痛めて最後までプレーできなかったコンリーとの長期契約にはリスクがある。彼自身、フランチャイズプレーヤーとして過ごしたグリズリーズを離れた後、ベテランの域に入った自分のキャリアを引き上げてくれたジャズでのプレーを続けることにプライオリティを置くはずだ。

レギュラーシーズン中、コンリーはユタに長く残ることに前向きな発言をしている。「僕も妻もここでの暮らしが気に入っている。ジャズのバスケットは独特で面白いし、全員が攻守両面でやりたいことを理解してプレーしている」

それでもジャズとしては、コンリーに格安のオファーを出すわけにはいかない。コンリーと再契約すればサラリーキャップを大幅に上回り、高額の贅沢税を払う必要が出てくる。一般的にスモールマーケットの球団はそれを良しとしない。ジョー・イングルスやボーヤン・ボグダノビッチ、ジョーダン・クラークソンといった主力を手放すか、あるいはまた別の選択肢があるのか。NBAファイナルが盛り上がるのをよそに、ジャズ首脳陣は頭を悩ませる数週間になりそうだ。