マーカス・スマート

ジェイレン・ブラウン、ジェイソン・テイタムの好調を演出

セルティックスが最後の最後まで粘るピストンズを振り切り、122-120で勝利を収めた。セルティックスがリードする時間が長かったとはいえ2桁の点差が付くことはなく、終盤は1ポゼッション差の攻防が続くタフなゲームをセルティックスが勝ち切ることができたのは、チーム一丸の結束力のおかげだ。

ジェイレン・ブラウンはゲームハイの31得点を挙げ、司令塔のマーカス・スマートは息の詰まるような接戦の中で落ち着いてゲームをコントロールした。残り2.9秒で勝利を決めるジャンプシュートを決めたのはジェイソン・テイタムだ。ピストンズはジェレミ・グラントやデリック・ローズが奮闘したが、チームとしてのバランスでセルティックスには及ばなかった。

「ウチの調子は悪かった」とスマートは試合を振り返る。「試合が進むにつれて遂行力が落ちていったように思う。でも、自分たちのいるべき場所にポジションを取り、そこにボールを回した。ブラウンとテイタムの2人が試合を決めてくれた」

最後のオフェンスの場面、それまで17得点を挙げていたスマートがアタックしてもよかった。だが彼はピストンズのディフェンスの動きをよく見て、スイッチした結果ブレイク・グリフィンが3ポイントラインでマークするテイタムにボールを預けた。テイタムはグリフィンをスピードで振り切り、自分のタイミングでジャンプシュートを放って成功させた。

スマートは言う。「自分がオープンであれば僕がシュートする。でもクローズアウトされたら、キャリアを通じてそうしてきたようにパスを出さなきゃいけない。プレーメークは自分のためだけにするものじゃないからね。そう考えて流れを読むんだ」

ピストンズの指揮官ドウェイン・ケーシーは「あの2人を上手く抑えられるチームなんているんだろうか?」とブラウンとテイタムを称賛したが、ブラウンが「彼がこのチームの中心であり、魂なんだ」との言葉で称えたのはスマートだった。

「彼がディフェンスでエナジーを出し、オフェンスでは落ち着いてコントロールすることで僕たちは有利にプレーできる。僕やジェイソンにイージーバスケットのチャンスを作り出し、自分自身のためにもイージーなチャンスを作り出す。彼の成長をすぐ横で見ることができて誇らしいよ」

他にも、ベテランのトリスタン・トンプソンは勝てる環境への移籍でイキイキとしているし、その彼とインサイドでコンビを組むことでダニエル・タイスは思い切ったプレーができている。新型コロナウイルスの影響によりスケジュールが例年と違うことで、特に強豪チームの序盤戦は様子見の感も強いが、それでもセルティックスは核となる選手たちの成長がチームを底上げに繋がっている。