「自分が経験してきたことを通して人に伝えるタイプ」
昨年のオフにピストンズと契約したデリック・ローズは、トレードの噂が絶えなかったものの、今シーズンもデトロイトで開幕を迎える可能性が高い。
史上最年少でのシーズンMVP受賞、度重なるケガからのカムバックなど、スポットライトを浴びる舞台が似合うローズも32歳になった。ティンバーウルブズ時代からシックスマンに転向した彼は、ピストンズでの2年目にメンターとして若手の力になろうとしている。
チームは先月のドラフトでフランス出身のキリアン・ヘイズを指名。ローズは、ポジションが同じヘイズの教育係に志願したという。メディアとのインタビューに応じたローズは「彼とはもう話をして、『君は将来的に球団を背負って立つ存在だぞ』と伝えたよ」と語った。
「僕の仕事は、彼をプッシュして素晴らしい選手にすること。練習から厳しくするよ。彼はまだ若いし、外国から来てこのリーグに挑戦するのだから、シーズンが始まれば相手チームから厳しくマークされる。だからキャンプを通じて、彼に対してはアグレッシブにプレーするつもりでいる。そうすれば、開幕してからもそこまで重圧を感じなくて済む」
口数が多い方ではないローズは、言葉ではなく練習に取り組む姿勢やプレーでチームを引っ張るタイプのリーダーだが、間違っていると思うことに関しては遠慮せずに指摘する。昨シーズンはチームでの1年目ということもあってあまり主張しなかったと話した彼は、エースのブレイク・グリフィンを立てつつ、若い選手にも必要な助言を与えたいと言う。
「ブレイクの力にもなりたいし、チームを上位に押し上げたい。ベテランとして、言うべきことがあれば言う。もしくは、チームメートの追い込みが足りないと感じたらそれも言う。去年はここでの1年目だったから、そこまで言えなかった。でも2年目の今シーズンからは、いろいろと言えるよ。僕は思ったことを口にするタイプではなくて、自分が経験してきたことを通して人に伝えるタイプだ」
昨年のオフにジミー・バトラーを獲得したことでチーム力を飛躍的に向上させ、昨シーズンNBAファイナルにまで進出したヒートを例に挙げ、グリフィンと自身が若手に良い影響を与えられるともローズは語った。
「ヒートも若手が多い。そこにジミーが加わって、パット・ライリー(ヒート球団社長)が定めるチームのスタンダードを体現してみせた。それに全員がついて行った。ウチも同じような感じだと思う。選手は揃っているし、ブレイクと自分は経験を積んでいるので、若手にいろいろと教えられる。なりたい自分になれるかは自分次第とか、そういうことをね。若手をプッシュして彼らの模範になりたい」