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カー率いるウォリアーズは、カーのブルズの年間最多勝利を塗り替えられるか

1995-96シーズンのブルズが打ち立てた73勝のNBA年間最多勝利記録。すでにこの数字に並んだウォリアーズが、レギュラーシーズン最終戦でこの記録を塗り替えられるかどうかに注目が集まっている。そのウォリアーズを率いるスティーブ・カーは、20年前には黄金期のブルズでプレーしていた。

当時のブルズではマイケル・ジョーダンが主役。カーはあくまで脇役だったが、歴史に残る名脇役だったと言えよう。現役時代の武器は3ポイントシュート。今のステファン・カリーほどではないにせよ、カーも名シューターとして知られた存在だった。キャリア通算の3ポイントシュートは237本中122本を決めている。成功率51.5%は歴史に残る数字。なおかつ彼は抜群の勝負強さを備えており、ビッグマッチの勝負どころで数々の3ポイントシュートを決め、人々の記憶に残るプレーヤーでもある。

ウォリアーズのヘッドコーチとしての手腕も素晴らしいもの。彼の就任が決まった一昨年の夏には、前任のマーク・ジャクソンがチームを成功に導いていただけに、カーの指導者としての経験不足が指摘された。

だが、指摘は的外れだった。カーは学生時代からそれぞれのカテゴリーの名将の下でプレーしており、NBAに入ってからはフィル・ジャクソンやグレッグ・ポポビッチといった監督の下で、そのノウハウを身をもって経験している。5度のNBA制覇はすべて、コーチの目線でも見ていたものだ。

前任者はウォリアーズを立て直し、プレーオフ圏内へと引き上げた。その仕事を引き継いだカーは、的外れな指摘をすぐに払拭し、最初のシーズンでNBAを制し、2シーズン目にしてチームを前人未到のレベルへと引き上げようとしている。13日のレギュラーシーズン最終戦で勝利すると、カーのウォリアーズはカーのブルズの記録を塗り替えることになる。

もっとも、メディアやファンの期待とは裏腹に、本来であればプレーオフに向けて主力を休ませたい消化試合に、全力で挑まなければならないことに、カーは頭を悩ませているのかもしれない。