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「減額が数百万ドルでいいなら喜んでサインする」

この数年、NBAで圧倒的な力を見せ付けているのがウォリアーズだ。この『スーパーチーム』を機能させている一人は、間違いなくシューターのクレイ・トンプソンだ。デュラント加入によりシュート数が減ると思われたものの、ケミストリーが完成してからは本来のリズムでプレーし続け、シュート試投数も成功数も、デュラント加入前とほぼ変わらない数字を残した。

そのトンプソンは、2019年にフリーエージェントになる。今夏も問題として取り上げられたが、ウォリアーズが現体制を維持するには、誰かが減俸を受け入れるか、球団がラグジュアリータックスを支払うかの二択になる。今年はデュラントが1000万ドル(約11億円)超の減俸を受け入れたことで、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンと再契約できた。では2年後、トンプソンは同様に減俸を受け入れるのだろうか?

『一寸先は闇』のNBAで、2年後を語ることに意味がないことは誰でも理解している。それでもトンプソンは「減俸を受け入れるかもしれないね」と減額を受け入れて残留する可能性を『The Athletic』に語った。

「どのくらいの金額かは分からないな。僕はケビンほどコート外で稼いでいないからね。でもそれが数百万ドルでいいなら喜んでサインするよ。チームのみんなを失いたくないから。その時が来たら真剣に考えるよ」

言うまでもなくウォリアーズは勝てるチームだ。フリーエージェントになって別のチームに行って、同じように勝てる保証はない。さらに選手たちを魅了するのは、チームの環境の良さと結束力。そして個人能力ではなくチームのケミストリーを何よりも重視すること。その価値を理解する者は、金銭的犠牲を払ってでも残留を望む。

もちろん、今後2年でチームを取り巻く情勢は変わる。今は減俸を受け入れると言っていても、その時がくれば考えも変わるかもしれない。2年後の夏、間違いなく多数のチームがトンプソンの獲得を希望するだろう。その時、彼が何を優先して決断を下すかによって、ウォリアーズの未来も変わる。