もはや『レイカーズ入りが前提』ではない?
ラッセル・ウェストブルックがサンダーとスーパーマックス契約を結んだ翌日、今シーズン終了後にフリーエージェントになるポール・ジョージが、去就に関して気になる発言をした。「ラス(ウェストブルックの愛称)はチームに尽くす姿勢を見せた。それは僕たちがペアを組むことにとって大事なだけではなくて、彼の人柄、価値感、信念を表している。彼が球団に力を尽くしているのはとても意味があることで、僕もチームでの生活を楽しんでいる。その時がきたら、きっと答えは出しやすくなると思う」
ペイサーズ時代から、ジョージは2018年夏にフリーエージェントになり、地元ロサンゼルスを本拠地に置くレイカーズに移籍する、というのが大半の見方だ。しかし、ウェストブルックが長期契約でサンダーに留まることを決断した今、ジョージはサンダーとの再契約を前向きに考え始めたのかもしれない。
Paul George says Westbrook's decision will "absolutely" factor into his. "When that time comes, the decision will be easier to make." pic.twitter.com/eqUyd37oSy
— Royce Young (@royceyoung) 2017年9月30日
ジョージが長期契約を結ぶチームを選択する上で最も重要なのは、現代のスター選手に多く見られる傾向である『優勝できる戦力があるかどうか』と思われたが、このコメントから察するに、それだけでもなさそうだ。今後、サンダーで優勝できる保証がないにもかかわらず、ウェストブルックはサンダー愛を球団内外に示した。
それでもあえて戦力的な部分について言えば、現段階でサンダーとレイカーズを比較すると、シーズンMVP受賞者のウェストブルック、オールスターのカーメロ・アンソニー、充実したサポーティングキャストを持つサンダーと、将来的なレイカーズの顔であるロンゾ・ボール、同じく数年後が楽しみな若手を擁するレイカーズとでは、優勝に近いのは間違いなくサンダーだ。
レイカーズは、来夏にジョージ、またはレブロン・ジェームズら超大物フリーエージェント選手の獲得を希望しているが、それはあくまでプランでしかない。もしジョージがレイカーズに移籍し故郷に錦を飾ったとしても、2年目のボールとジョージだけですぐさま優勝が狙えるレベルになれるほど西カンファレンスは甘くない。
王者ウォリアーズは、少なくともあと数シーズンは現在の主力を保持するだろう。キャップスペースの関係で現体制を維持できる年数は限られているが、ウォリアーズの次に西のトップに立つ可能性は、戦力、実績、ケミストリーから考えても、現時点ではレイカーズよりサンダーの方が圧倒的に高い。
ジョージは来年28歳になる。次の長期契約を結んだチームでキャリアの全盛期を過ごすことになるため、その判断は慎重にならざるを得ない。これらの条件、そして本人のコメントを踏まえると、気持ちはサンダーとの再契約という流れに傾いていると考えられないだろうか。
ただ、今シーズンのレイカーズがどれだけ勝てるか、もしくは数年後の可能性を示せるか次第で、来夏ジョージは頭を抱えることになるだろう。もちろん、サンダーの新ビッグ3のパフォーマンスによっても情勢は変わるかもしれない。
それでもジョージは、ウェストブルックの決断に心を動かされたように見える。