処分を覚悟の上での意思表示か
先日バックスのGM、ジョン・ホーストは、ファン参加型のイベントに出席した際に、ヤニス・アデトクンボとの新契約締結に関する質問を受け、「彼にはスーパーマックス契約をオファーする」と断言した。当然、ホーストのこの発言はアデトクンボにもすぐに伝わっただろう。
しかしこの発言によりバックスは、NBAから5万ドル(約540万円)の罰金処分を科されてしまった。
というのもNBAのルール上、現行の契約下にある選手との新契約について、公の場で発言するのは禁じられている。バックスがアデトクンボにスーパーマックス契約を提示できるのは、彼が7年目のシーズンを終えた後、つまり2020年のオフになるため、発言時期も適切ではなかった。
ただ、NBAチームのGMがこのルールを知らないはずがなく、ホーストは処分を覚悟の上で球団の方針を明確にしたかったのだろう。
以前からバックス一筋のキャリアを希望する発言をしているアデトクンボが球団に求めるものは、本気で優勝を狙う姿勢だ。東カンファレンスを首位で通過した昨シーズンの主力の大半と再契約し、2019-20シーズンも東の上位候補と見られているが、開幕後の状況次第ではシーズン中のトレードもあり得る。
アデトクンボは、球団が優勝を目指すために適切な判断を下すかどうかも考慮した上で、1年後にスーパーマックス契約を結ぶかを決めるはずだ。
それでも、球団の気持ちはエースに伝わっている。アデトクンボは、経験豊富で明確な長所を持つベテランを獲得した適材適所の補強にも納得しているだろう。あとは彼もコート上で結果を残し、1年後に気持ちよく5年2億4700万ドル(約267億円)という超大型契約にサインするだけだ。