「オフェンスでは合わせのプレーがチームに求められている」
群馬クレインサンダーズは10月19日に行われた宇都宮ブレックス戦に80-83で競り負けた。
試合の出だし、群馬はスタンリー・ジョンソンを起点に守備のズレを作り出すと、テンポの良いボールムーブから淺野ケニーがコーナースリーを3本連続で成功と爆発。第1クォーターだけで11得点と大暴れした淺野の活躍もあり、27-16と先手を取った。だが、その後は宇都宮のタフなディフェンスに苦戦。そしてセカンドチャンスポイントで10-24と大差をつけられるなど、ここ一番でのリバウンド争いで後手に回ったことが響いてあと一歩で勝利を逃した。
群馬はこの前の試合でアルバルク東京に86-100で敗れており、痛い連敗に。だが、カイル・ミリングヘッドコーチは、課題とともにポシティブな部分もあったと振り返っている。「A東京戦では我々のやりたいバスケットができませんでした。そこから何をやるべきかたくさん話をし、(今日は)試合に敗れてしまいましたが、私たちのアイデンティティが見られました。まだまだ修正しないといけない箇所はいくつかあるので、引き続き向上させていきたいです」
前述の通り、淺野は3本すべての3ポイントシュートを沈めて先制パンチを引き出した。宇都宮戦までの3ポイントシュートは8本中1本の成功と低調だったが、専修大4年時の関東大学リーグで3ポイント王に輝いたシュート力の持ち主は、今回で一気に確率を上げた。
198cmの大型3&Dとして楽しみな存在の淺野だが、本人は次の意識でコートに立っている。「シュートを打っていきたいですが、(オン・ザ・コートフリーの)新しいレギュレーションでスイッチディフェンスをしていく相手が増えてフリーで打つことが難しくなってきます。シュートは武器ですが、それ以外でも貢献できます。ディフェンスと、オフェンスでは合わせのプレーが求められています」
ミリングヘッドコーチはこの日の淺野について「前半は良い活躍をしてくれました。ディフェンスは本当に成長しており、ガードを守らないといけない時でもチームを助けてくれています。ただ、若い選手ですので今は調子の波があります。前半は良かったですが、後半は少しエラーが出てきてしまったと思います。このまま成長を続けてほしいです」と語る。

高校の同期、小川への対抗意識「自分ももっと良いパフォーマンスを」
オン・ザ・コートフリーによって外国籍ウイングの選手は増え、日本人のガードやウイングは出番を確保するのが以前より厳しい状況となった。ただ、その中でも淺野は、今シーズンここまで1試合平均11分4秒出場と昨シーズン(10分44秒)と変わらない出番を得ており、これこそ指揮官の彼に対する期待の大きさを示している。
恵まれたサイズを誇る貴重な日本人選手である淺野は「外国籍選手が多くコートに立つ機会がある中、日本人のビッグウイングの需要はすごくあると思っています。スイッチして外国籍選手を守る機会も生まれていて、自分にとってこのレギュレーションはチャンスだと思っています。安定したプレータイムを得て、自分の価値を高めていきたいです」と、環境の変化をポジティブに捉えている。
淺野は数々のトップ選手を輩出している洛南高校出身だが、群馬と宇都宮は特に同校出身選手が多く、両チームで8名にも及んだ。その中でも淺野は、「僕たちからしたらレジェンドな先輩たちも多いですが、今日は同期の小川(敦也)がしっかりとプレーしていて、自分も同じ活躍ができなかったことに悔しい気持ちはありました。自分ももっと良いパフォーマンスを見せていきたいです」と同期へのライバル意識ものぞかせる。
今夏、小川はアジア競技大会での活躍など代表でもステップアップを遂げ、次代を担う大型ポイントガードとして大きな注目を集めている。200cm近い大型3&Dとして、淺野も大きなポテンシャルを有し、このまま群馬でステップアップを続けていけば近い将来、代表争いにも加わっていけるはずだ。そして彼の飛躍は、群馬がさらなるレベルアップを遂げるためのXファクターとなる。
