
大きな決断はカリーの状態、バトラーの回復ぶり次第
ウォリアーズはブランドン・ウィリアムズと1年260万ドル(約4億円)、ジョージ・ニアンと1年390万ドル(約6億円)の契約を締結し、15人のロスターを完成させた。今オフ、ドラフト以外での補強はこの2人が初めてとなる。
ウィリアムズはゴール下へのドライブを強みとする26歳のポイントガードで、昨シーズンはマーベリックスで13.0得点、3.9アシスト、2.9リバウンドを記録。ウォリアーズは昨シーズン、ステフィン・カリー以外にインサイドで得点できるガードを欠いていた。
ディアンソニー・メルトンは決定力を欠き、ブランディン・ポジェムスキーもディフェンスを崩し切れずにいた中、瞬発力とバランス感覚でディフェンスの密集地帯を割って入る能力を持つウィリアムズは、チームの弱点を埋める補強となる。ガード陣での序列は高いとは言えないが、昨シーズンは23.2%と低調だった3ポイントシュート成功率が改善されれば、出場時間を大きく伸ばす可能性もある。
ニアンは33歳のベテランフォワードで、キャリア通算の3ポイントシュート成功率39.9%を誇る大型シューター。2024-25シーズンはキャバリアーズとホークスで9.9得点、3ポイントシュート成功率40.6%と好調だったが、古巣のジャズに復帰した昨シーズンは開幕前に左足の疲労骨折により全休に。2月にトレードされたグリズリーズで解雇され、フリーエージェントとなっていた。
左足のケガが癒えた彼にとっては再起のシーズン、ジミー・バトラーとモーゼス・ムーディが膝の負傷で開幕から出遅れる見通しの中、手薄になるウイング陣のシューティング力を厚くする狙いがある。
この2人の名前だけを見れば地味な補強に映るが、その裏にはウォリアーズが置かれている厳しい現実がある。カリーが現役のうちにもう一度優勝すべく戦力を整えているものの、昨シーズンはプレーイン・トーナメント止まり。38歳になったカリーが39試合を欠場し、36歳のジミー・バトラーも44試合、36歳のドレイモンド・グリーンも14試合を欠場するなど、高齢化が進んだ主力のケガがチームを蝕んだ結果だった。
『王朝』を築いた後、それを継ぐべき若手を育てられない状況で、フロントは再建に踏み切ろうとせず、カリーが第一線でいる限りは彼を中心に戦う方針を貫いている。
今オフはビッグネームの補強がないまま、ウィリアムズとニアンという安価なピンポイント補強に留まった。派手さはないし、優勝を狙える戦力かと言えば疑問符が付くが、シーズン開幕後に新戦力のフィット具合を確認し、さらにカリーのコンディションやバトラーの回復ぶりを見極めた上で、シーズン途中に優勝へと突き進むか再建かの決断をすると見られる。