渡嘉敷来夢

「自分もメンバー入りの当落線上にいるので、余裕はないです」

現在、女子日本代表は9月に行われる『FIBA女子ワールドカップ2026』に向けてオーストラリアに遠征中。普段経験することができないサイズ、フィジカルを備えた相手との実戦によって、チーム作りを進めている。

渡嘉敷来夢は、3月に行われたトルコでのワールドカップ最終予選トーナメントで全5試合に出場し、インサイドの主力として特にゴール下のディフェンスで大きな貢献を見せた。平均リバウンドは1.8に終わったが、マッチアップした相手ビッグマンをボックスアウトでしっかり押さえ込み、味方にディフェンスリバウンドを取らせる縁の下の力持ちの役割を遂行した。

ドイツ、スペイン、マリと難敵揃いのグループに入った本大会においても、193cmのサイズと豊富な経験を持つ渡嘉敷の存在は、攻守において欠かせない。遠征前に行われた強化合宿中のメディアデーで、渡嘉敷は「しっかりやっていかないと、世界を相手に勝てないことは分かっています。1日1日をすごく大事にしている気持ちです」と現在の心境を語る。

まだ、本大会まで約2カ月あるが、渡嘉敷は次のように危機感ものぞかせる。「今、代表活動でみんなとバスケットができるのはすごく楽しい時期で、仲を深めつつあります。ただ、自分もメンバー入りの当落線上にいるので、余裕はないです。普段からしっかりと自分のベストを尽くした結果がワールドカップに繋がっていく。2カ月は意外と早いと思っています」

最終予選では、Wリーグで経験できない世界トップレベルの選手たちとマッチアップしてきた。ベテランになっても飽くなき向上心を持ち続ける渡嘉敷にとって予選は貴重な学びの場となった。「世界では大きくても外からプレーできる選手がたくさんいます。そういった選手たちとマッチアップできるのは自分にとって良い刺激になりますし、盗めるものがあるんじゃないかと思います」

最終予選で対戦したハンガリー代表のドルカ・ユハースは、大会後に女子ユーロリーグのMVPを受賞したスター選手。「もう1人のインサイドの選手をマークしている時間が長かったので、もっと(ユハースと)マッチアップしたかったですね(笑)」と語る渡嘉敷は、ワールドカップで対峙する世界屈指のセンター陣との対決を心待ちにしている。

「やっぱり世界で活躍している選手たちとのマッチアップは、自分が成長するために必要なこと。ワールドカップでそういう選手たちと対戦するのはとても楽しみなので、積極的にやっていきたいです」

特にオフェンスでより積極性を出すことが、チームにとって重要だと見ている。「外からのシュート、ガードのドライブが日本代表のスタイルではあると思います。それでもフリーになったりチャンスがある時は、自分も積極的にシュートを狙っていきたいです。メインになることを求めているわけではないですが、世界で勝つにはビッグの得点も重要になってくると思うので、ボールを持ったら積極的に攻めていきたいです」

パリオリンピック後、代表復帰を果たした渡嘉敷は昨夏の『FIBA女子アジアカップ2025』、最終予選トーナメントと、試合を重ねるごとにチームへのフィット具合で確かな進歩を示していた。長期合宿を経てワールドカップ本大会の12名ロスターを勝ち取った時、彼女がどんなプレーを見せるのか非常に楽しみだ。