「若手の成長を助けつつ、その勢いに乗らせてもらう」
ポール・ジョージが去り、ノーマン・パウエルがこれに続き、今回はジェームズ・ハーデンとイビチャ・ズバッツがトレードされた。クリッパーズはベテラン偏重のチームで優勝を追い求めたが、上手くいかなかった時の『時間的猶予』はほとんどなかった。
カワイ・レナードはチームの変貌ぶりに茫然としているし、自分自身の責任も感じている中で、現地2月6日のキングス戦で31得点9リバウンド7アシストの活躍で、クリッパーズの連敗を止めた。
このところのクリッパーズではハーデンが攻撃の全権を握り、カワイは一歩引いた立場でプレーしていたが、この試合ではカワイが攻めの起点となり、シュートを放ち、アシストをするシーンが激増した。彼自身もプレーの中心になることでリズムに乗った感がある。
「ただ高いレベルでプレーしたかった。コート上に誰がいようと、全力で戦うことに変わりはない。でも、僕らだって人間だから感情はある。ロッカールームにいた仲間がいなくなるのは寂しいよ。シーズン中は家族よりもチームメートと過ごす時間の方が長い。兄弟を失ったようなものだ」とカワイは言い、こう続ける。
「自分にできるベストを尽くしてチームの勝利を積み上げていくつもりだ。去った選手の穴は大きいけど、新しい選手も来る。シーズン序盤がそうだったように、チームとしてまとまるには時間がかかる。ダリアス(ガーランド)はケガを抱えているけど、シーズン最後までプレーできる準備をして復帰してもらいたい。トレーニングキャンプからコアメンバーが揃って何ができるのかを見るのが楽しみだよ」
この時点で来シーズンに向けた準備へと彼の意識は移りつつある。「チームが若返りへと進んでいるのは明らかだよね。僕らはリーグで最も平均年齢の高いチームとしてスタートした。こうなれば資産を確保し、将来に向けて再構築するのはビジネスとして理解できる。ただ、このところチームの調子は上向いていたからね。感情が揺さぶられるのも事実だ」
「優勝候補とまでは言わなくても、プレーオフでどこかの強豪チームのシーズンを終わらせて世間を驚かせるぐらいの力はあると思っていた。でも状況は変わり、イチからやり直しだ。今は先のことを考えるよりも、このシーズンをしっかりやり遂げることに集中したい」
集中を切らせば、モチベーションを保つのが難しくなる。できる限り自分のプレーに集中し、目の前の勝利にこだわり、若いチームへの切り替えをサポートするのが今の彼の目標だ。
「以前よりペースは早くなるね。僕はトランジションで走るのが好きだから合っていると思う。プレーオフではハーフコートゲームになるけど、リーグ全体に変化が起きていて、ペースは必ず必要になってくる。新たに加わる戦力は若いエネルギーをもたらし、ペースを上げてくれる。それは今シーズンだけじゃなく今後に向けて大事な要素になる。僕は年齢を重ねていく一方だけど、若手の成長を助けつつ、その勢いに乗らせてもらうさ」
