日本11年目で初のファイナル進出を決める
『第101回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会』、シーホース三河は準決勝で宇都宮ブレックスに71-53と快勝。2021年2月以降ずっと勝てずにいた天敵を撃破し、2018年以来となる決勝進出を決め、Bリーグ誕生以降では初のタイトル獲得に王手をかけた。
三河は互角の立ち上がりの後、第2クォーターに強度の高いディフェンスで宇都宮のリズムを完全に崩し、このクォーターで17-8と大差をつけ主導権を握る。第3クォーターに入ると、安易なターンオーバーを重ねる自滅によって宇都宮の反撃を許したが、第4クォーターはわずか5失点と再び堅守で自分たちの流れを取り戻す。徐々に突き放すと残り1分24秒にダバンテ・ガードナーがダメ押しとなるバスケット・カウントを沈めた。このシュートを沈めた後、ガードナーは雄叫びをあげた。「あのシュートを決めれば、相手がゲームオーバーとなることは分かっていた。だから、あんなに興奮したんだ」と心境を明かす。
第3クォーター終盤、三河は宇都宮の猛追を受け、リードはわずか5点に。試合は完全に宇都宮の流れで、『今回も勝てないのか……』と三河に嫌な雰囲気が生まれてもおかしくない状況となった。だが、ガードナーは「(点差を詰められても)僕たちは勝てると自信を持っていた」と落ち着いていた。後半に追い上げをくらうのも想定内だったと振り返る。「前半、僕たちは素晴らしいプレーを見せたが、それでも第3クォーターに宇都宮が反撃してくるのは分かっていた。だからハーフタイムに、『集中してハードにプレーしよう』とみんなに伝えた。そして第4クォーターに流れを取り戻し、勝利をつかめたんだ」
2015-16シーズンに西宮ストークス(現・神戸ストークス)に加入して日本でのキャリアを始めたガードナーは、新潟アルビレックスBBを経て2019-20シーズンから三河に加入。今シーズンが日本11年目となり、130kgを超えるサイズを生かした迫力満点のアタックと繊細なシュートタッチを武器に、リーグ随一のスコアラーとして活躍を続けている。一方でチームのタイトルとは無縁のシーズンが続いていたが、今回ようやく天皇杯のタイトルに手が届くところまできた。

「今日の守備ができたら僕たちはアンストッパブル」
「僕たちはタイトルを取るため、ハードワークを続けてきた。決勝の場に立てることにワクワクしている」と、念願のタイトルに王手をかけたガードナーは、今の三河に大きな自信を見せる。「石井(講祐)と須田(侑太郎)のベテランは常に僕たちに、『自信を持ってプレーしよう』と話しかけてくれる。そしてすべてはディフェンスから始まる。今日や(ベスト8の)琉球戦のような守備ができたら僕たちはアンストッパブルなチームになれる」
また、外国籍のオン・ザ・コート1というBリーグと違うルールは自分たちにとって有利と語る。「Bリーグ最初の数年、オン・ザ・コート1を経験しているので慣れている。そして、このルールで僕たちは日本人選手、外国籍の両方でアドバンテージを生み出せる。僕はチームメートを信頼している。みんなを家族のように愛しているんだ」
オン・ザ・コート1となりガードナーのプレータイムは、リーグ戦から減少し20分前後となっている。ただ、今回のようにここぞの場面で得点を挙げる彼の決定力なくして、決勝でも三河の勝利はない。決勝の相手であるアルバルク東京には12月27日、28日に戦いホームで手痛い連敗を喫している。だが、この時と今の三河は全く違うチームであると言い切れるプレーを見せているだけに、同じ結果にはならないはずだ。
