「河村にボールを預けるべきだ」の共通認識
河村勇輝がGリーグのメンフィス・ハッスルvsオセオラ・マジックに出場。先発ポイントガードとして31分プレーし、15得点16アシストと試合を支配してハッスルを勝利に導いた。
試合開始からわずか40秒、相手はアグレッシブにパスカットを狙いに来るが、河村へのプレッシャーが足りない状況で、河村は冷静にディフェンスの裏へとパスを出してコリン・キャッスルトンのイージーダンクをアシスト。開始3分ではトランジションから相手の守備が整う前に味方に3ポイントシュートを打たせて2アシスト目を、続いてゴール下まで自らアタックし、ディフェンス3人を引き付けてのキックアウトで3アシスト目を記録した。
相手のディフェンスの緩さに合わせて序盤は個々の攻めが目立ったハッスルだが、試合が始まって数分でチームに「河村にボールを預けるべきだ」の共通認識ができた。
マジック傘下のGリーグチームであるオセオラ・マジックでポイントガードを務めるのはマック・マクラング。NBAでの実績は乏しいが、NBAダンクコンテストで2年連続優勝している身体能力の高い選手。そのマクラングとのマッチアップでも河村はフィジカルで押し込まれることなく、ピック&ロールに対しても足を使ってズレを作らせず、しつこく手を出すディフェンスで抑え込んだ。
第2クォーター途中、一度ベンチで休んでコートに戻って来るとすぐ、ピック&ロールにアンダーで対応して自分を守るディフェンスがいなくなると、トップの位置から余裕十分で放った3ポイントシュートを決める。続いてはスクリーンを使って一気に加速してリムアタック。ダブルクラッチで放ったシュートをファウルで阻まれ、これで得たフリースローを手堅く2本決める。さらには再びトップの位置でワイドオープンとなり、3ポイントシュートを成功させている。
5日前のGリーグデビュー戦となったオクラホマシティー・ブルー戦では7得点10アシストを記録したが、この日は前半だけで8得点10アシスト。後半が始まってすぐに右からのワイドオープンを決めて10得点目。NBAグリズリーズでは出番が安定しない河村だが、Gリーグではその持ち味を存分に発揮し、圧倒的な存在感を見せている。