ジェイレン・ブランソン&ジュリアス・ランドル

「ジュリアスはどんな困難にも適応してきた」

ミケル・ブリッジズ獲得にジェイレン・ブランソンとOG・アヌノビーの契約延長。そしてトム・シボドーも新契約を結んでの残留が決まった。フロントは現体制のチームがさらに大きな成功を収められると見て、信任を与えた格好となった。

昨シーズンは疲労困憊の末にカンファレンスセミファイナルでペイサーズに敗れたが、それ以上の成績を出すために選手層はより強化された。唯一の穴はアイザイア・ハーテンシュタインがフリーエージェントで去ったセンターのポジション。足首のケガで昨シーズンは31試合にしか出場できなかったミッチェル・ロビンソンが復帰するが、彼はもともとケガの多い選手で、過度な負担は掛けられない。控えのジェリコ・シムズは4年目を迎える若手で、大きな役割を託すには経験不足。3番手のプレシャス・アチウワは本来はパワーフォワードの選手だ。

開幕までに、あるいはシーズン前半戦のうちにトレードでの解決ができない限り、ロビンソンを軸としながらも純粋なセンター不在のスモールラインナップを多用し、そこではジュリアス・ランドルも起用されると見られてきた。『nba.com』の取材に応じた指揮官シボドーは、初めて公式にそのアイデアを認めた。

「我々は昨シーズンも同じことを経験した。最初はミッチェルが先発で素晴らしいスタートを切ったがケガをした。それでジェリコを抜擢し、その後にアイザイアが良い働きを見せてくれた。アイザイアがケガをした時にはプレシャスが入り、タージ・ギブソンも入った。つまりシーズンを通してローテーションをさせていたんだ」

そう語るシボドーはこう続ける。「今回もそのやり方でやるしかない。ウチには多くのタレントがいるので、良い組み合わせを探るつもりだ。ジュリアスがセンターでプレーすることもあるだろう。彼にとって負担は大きいが、10分から15分ならやれる。彼がセンターに入れば攻撃面で多くのプラスが生まれるだろう」

シボドーがこのアイデアを持つようになったのは、アヌノビーとブリッジズの獲得が大きい。「2番から4番の選手はよりウイング志向になり、4つのポジション、あるいは5つのポジションを守れることでより多くのスイッチングが可能になる。ここにリバウンド力が加われば、ディフェンスが犠牲になることはない」

「ジュリアスはどんな困難にも適応してきた」とシボドーは言う。「4年前の彼は素晴らしいシーズンを送ったが、あの頃は今のようなシュート力はなかった。コートはよりオープンになり、そのシュート力はより生きる。昨シーズン、彼が離脱する前の1月にはその片鱗が見られていた」

ポイントガードはジェイレン・ブランソンが先発し、マイルズ・マクブライドとキャメロン・ペインがベンチから出る。それ以外はポジションレスで、ブリッジズとドンテ・ディビンチェンゾ、アヌノビー、ジョシュ・ハートがプレーし、ランドルはロビンソン不在の時間帯に『スモールセンター』を務める。身体的負担の大きいセンターでのプレーは、契約更新時期を控えるランドルにとって歓迎すべきものではないが、生粋のチームプレーヤーである彼が起用法に異を唱えることはないだろう。ニックスには優勝のチャンスがある。全員が自己犠牲を払ってそれをつかみ取りに行くつもりだ。