サラリーキャップ削減にはゴベアとの契約延長は難しい中での注目発言
昨シーズンのティンバーウルブズは2003-04シーズン以来となるレギュラーシーズン50勝超え(56勝26敗)を達成するとともに、カンファレンスファイナル進出と大きな飛躍を果たした。そして、現在のチームは次世代のNBAを背負う存在と評されるエースのアンソニー・エドワーズが先月23歳になったばかりで、さらにカール・アンソニー・タウンズが28歳、エースストッパーのジェイデン・マクダニエルズが23歳と、コアメンバーが若いことも大きな魅力だ。
だが、中心選手たちと相次いで大型契約を結んだことで、今後2シーズンに渡ってウルブズの総額年俸は2億ドル(約290億円)を超える見込みだ。これはサラリーキャップを大幅に超過し、セカンドエプロンにも達している。それだけに、これからベテランの主力を引き止めず、サラリー削減に動く可能性も少なくないと見られている。
しかし、ウルブズの編成トップであるバスケットボール部門代表のティム・コネリーに現時点でそういった考えはない模様だ。地元テレビ局『KSTP 5』の番組で、コネリーは32歳のベテランセンター、ルディ・ゴベアの去就について「私たちはルディ(ゴベア)に長い間、このチームにいてほしい」と契約延長を望んでいると語った。
現在、ゴベアの契約は今シーズンを含めて残り2年で約9000万ドル(約130億円)だが、来夏にはプレーヤーオプションによってFAとなれる。リーグ屈指のディフェンス力を誇りゴール下の番人として君臨するゴベアだが、ウルブズにはタウンズという一流のビッグマンがいて、インサイドでゴベアに大きく依存している訳ではない。さらに昨シーズンのシックスマン賞である控えビッグマンのナズ・リードも、同じく来夏にプレーヤーオプションでFAになれる。
もちろん、2人とも引き留めることが理想だが、サラリーキャップのことを考えるとどちらか1人と契約延長を結ぶのが現実的だ。その場合、より若く、今シーズンの年俸はゴベアの3分の1と安い、リードとの契約延長を選択するのが妥当だろう。
それだけにコネリーがゴベアとの契約延長を望むと発言したことは注目に値する。また、コネリーは次のように続けている。「我々は彼の代理人を気に入っている。ゴベアとは長年に渡る友人で、彼はリーグでも屈指の人格者だ。私たちの目標は、彼らが望む限りチームにいてもらうこと。理想として、継続性は大きな強みの1つであり、コアメンバーには本当に満足している」
もちろん今回の発言は、ゴベアのモチベーションを下げないためのリップサービスであるかもしれない。そもそも今のウルブズは予定されていた球団売却がうまく進まず2年後、3年後にどんな状況になっているのか不透明だ。そんな中、編成トップがコアメンバーの維持に積極的な姿勢を示したことは、ファンにとっては一安心だろう。