写真=Getty Images

ドラギッチとホワイトサイドの前に守備が崩壊

42勝18敗で東カンファレンス首位のキャバリアーズが、28勝34敗で同じ東カンファレンス9位のヒートと対戦した。

キャブズは前日のホークス戦で25本の3ポイントシュートを成功させ、レギュラーシーズンのNBA新記録を更新させたばかりだったが、レブロン・ジェームズとカイリー・アービングが休養のため試合を回避。ケビン・ラブもケガで欠場しており、『ビッグ3』抜きでの試合となった。

序盤は両チームとも高確率でシュートが決まり、第1クォーターから35-35とハイペースに得点を重ねた。だが、その後はキャブズが攻守ともに後手を踏み始める。

スクリーンに対してスイッチで対応するキャブズは、センターのトリスタン・トンプソンが外に釣り出される。スピードのミスマッチからドライブを警戒すると、外が空いて3ポイントシュートを連続で沈められる。普段はレブロンやラブなど走力がある選手が対応していた部分を突かれた形となった。

そればかりか、ゴール下の守りが手薄になりハッサン・ホワイトサイドにオフェンスリバウンドを奪われ、セカンドチャンスポイントを何度も与えてしまう。

カイル・コーバーの3ポイントシュートで食い下がるキャブズだが、1対1で打開できないためにノーマークを作れず、タフショットを打たされ得点が伸びない。

トランジションオフェンスを展開するゴラン・ドラギッチに3ポイントシュート、速攻を連続で決められ、51-67と一気にリードを許した。

反撃したいキャブズだったが、シューターのコーバーがピック&ロールからパスをさばくシーンが見られるなど、明らかに普段のオフェンスができずにいた。

だがそれ以上に問題となったのはディフェンスだった。ドラギッチの変幻自在のペネトレイトの前に中、外と次々に失点を重ねていく。211cmと長身のチャニング・フライも、センターでリーグでも3本の指に入るホワイトサイドを止めることができず、ゴール下を制圧された。

インサイドを制圧したホワイトサイド。20得点を記録し攻守に存在感を見せた。

浮き彫りとなった『ビッグ3』の存在感

第4クォーターを待たずして失点は100を超え、すべてのクォーターでヒートを上回れずキャブズは92-120で完敗となった。

ドラギッチがゲームハイの23得点を記録し、ホワイトサイドが20得点13リバウンド(4オフェンスリバウンド)で続いた。また出場した11人全員が得点を記録し、フィールドゴールの成功率は52.3%と効率の良いオフェンスを展開したことが数字に表れた。

敗れたキャブズはフライが21得点を記録し、フライを含む6人が2桁得点を挙げるも単発が多く、攻守ともに最後まで修正できず。アービングのペネトレイト、レブロンのオールラウンドなプレー、ラブのインサイドがあってのキャブズだと思い知ることとなった。

ヒートは8位のピストンズを1.5ゲーム差で追っている。このままの勢いで勝利を重ねればプレーオフ進出も可能で、その場合は1回戦でのキャブズとの対戦が濃厚だ。キャブズは連覇に向けベンチプレーヤーの底上げが急務となりそうだ。

為すすべもなく敗れ、ヘッドコーチのルーも肩を落とした。