構成=丸山素行 写真=FIBA.com
「納得のいく試合は全くない」
昨日、バスケットボール日本代表は敵地でカタールを撃破し、ワールドカップ出場権をつかみとった。八村塁、渡邊雄太が不在だったが、Bリーグ組だけでも戦えることを見事に証明した。
Bリーグの顔になりつつある富樫勇樹はワールドカップ進出の功労者である八村と渡邊へ「塁、雄太、やったぞー!」とメッセージを送り、喜びを表現した。
Bリーグでの富樫は、持ち味のスピードとクイックネスを駆使し、平均14.2得点(日本人3位)を挙げる点の取れるガードとしての地位を確立している。だが、代表ではゲームコントロールを任せられる時間帯が多く、シュート精度が上がらなかったこともあり、予選10試合で平均6.3得点と苦しんだ印象だ。
富樫も「2試合ケガで、他の10試合も納得のいく試合は全くない」と、率直な思いを明かした。
求められる役割が変われば、プレーのリズムも変わってくる。もちろんそれにアジャストすることが必要となるが、決して簡単なことではない。「ここでのプレーと千葉でのプレーに迷いみたいなものがずっとある中での予選で、個人的にはやっぱりもうちょっとやれた、やりたかったっていう気持ちはあります」
それでも富樫は先発で起用され続けた。それは指揮官のフリオ・ラマスから絶大な信頼を得ているからに他ならない。富樫もその点を誇りに感じ、結果を出したことへの満足感は得ている。「チームとしての成長の過程で、自分がスターティング5として出させてもらったことはすごくうれしく思います。こうやってしっかり結果を残せたということには満足しています」
すぐに千葉に戻ってBリーグ再開となる。その場その場で求められるプレースタイルにシフトすることは簡単ではないが、悩みを抱えながらも富樫はやってくれるに違いない。