八村塁

アンソニー・デイビス「僕に責任がある」

レイカーズの八村塁が、左ふくらはぎのケガによる5試合の欠場から復帰した。この間に鼻骨骨折の影響はなくなり、顔を覆うフェイスガードはなくなっていた。2週間ぶりのプレーとなったが試合勘は失っておらず、ベンチから19分の出場で17得点を記録。スティールからワンマン速攻でのダンクに、力自慢のウォーカー・ケスラーやケリー・オリニクをゴール下まで押し込んでの得点など、パワフルなオフェンスでチームに貢献したが、7点ビハインドの第4クォーター残り5分半で交代となり、あとはチームが負ける様子をベンチから見守ることとなった。

レイカーズではレブロン・ジェームズが左足首の痛みにより欠場。指揮官ダービン・ハムはディフェンス優先の布陣で戦っているが、それはオフェンスはレブロンが何とかしてくれるからで、レブロン不在となれば攻撃の迫力を欠くことは否めない。八村を先発に据える手もあっただろうが、ケガ明けでプレータイムに制限があったようでベンチからの出場となり、プレータイムも伸びなかった。こうして約2カ月ぶりにディアンジェロ・ラッセルとオースティン・リーブスを先発に並べることになったが、それはサイズ不足とディフェンス力の低下をもたらし、結果としてジャズの大型ウイングであるラウリ・マルカネンとジョン・コリンズを止められなかった。

レブロン不在の分は、他の選手がステップアップして埋めなければならないが、今のレイカーズでそれは機能しなかった。ディアンジェロ・ラッセルは先発起用に応え、レブロンがいない分までアグレッシブに攻めることで39得点8アシストを記録。しかしディフェンスでは狙い撃ちにされ、スイッチを強いられてゴール下に押し込まれ、頭上からダンクを叩き込まれるシーンが目立った。さらにキャム・レディッシュは左膝を痛めて後半はプレーできず。ローテーションが乱れたのも痛手だった。

レブロンと並ぶもう一人のエース、アンソニー・デイビスは15得点15リバウンド11アシストと、ペリカンズ時代に一度記録しただけだったトリプル・ダブルを達成するも、試合後の彼は「ブロン(レブロン)の欠場で全員がステップアップする必要があって、みんなそれぞれ自分の仕事を果たした。できなかったのは僕だ。だからこれは僕に責任がある」と語った。エースの役割は他の選手にはこなせない。その自負がデイビスに自分を責めさせたのだろう。

「ブロンがいなくても勝てるだけの実力が僕らにはあるはずだ」とデイビスは言う。「残り42試合、特にここからホームゲームが続くところでどれだけ勝てるかが非常に大事になる」

レイカーズは次のサンダー戦から、マーベリックス、ネッツ、トレイルブレイザーズとホームでの連戦。アウェーのクリッパーズ戦を挟み、続くブルズとのホームゲームまではロサンゼルスに腰を落ち着けて戦うことができる。ただ、これでレイカーズは19勝21敗、再建チームであるジャズが21勝20敗と今シーズン初めて勝ち越したのとは対照的で、優勝候補と呼ぶには欠けているものが多すぎる。ここからの10日間でも事態が好転しなければ、いよいよチーム解体が現実味を帯びてくる。